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FX見通し「積極的に114円台を買う必要性はある?、市場は不安気味」週刊為替レポート ハロンズ ドル/円 2021年11月13日

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目次

▼13日週のドル/円は売り先行後に反発
▼経済指標はインフレ圧力を高める方向か
▼上昇気味のVIX指数に注意
▼テクニカル的には上方向が期待されますが・・・
▼11/8週のイベント
▼一言コメント

積極的に114円台を買う必要性はある?、市場は不安気味

13日週のドル/円は売り先行後に反発

度重なる米金融当局者らによる早期利上げへの慎重発言がドルの上値を圧迫し、113.00円割れのストップロスを巻き込んで112.73円まで下げ幅を広げました。しかし、目先のテクニカル的な節目(112.50円)割れを回避すると切り返す格好に。米インフレ加速を示す指標結果を受けてドルが買い戻されると、ドル/円も114.30円付近まで切り返しました。

経済指標はインフレ圧力を高める方向か

20日週も米国の早期利上げ観測を巡る投資家の思惑が相場のメインテーマであることは間違いありません。ただ、来週は物価関連指標が少ないため、景気の過熱感といった視点からインフレ動向を探る格好になるでしょう。注目される指標は16日の米10月小売売上高、17日の同住宅関連指標です。雇用情勢の改善や賃金上昇を受け、消費が活発化している様子が確認できれば米金融当局へのプレッシャーは増すでしょう。

もっとも、ガソリン高騰による上げ底の部分はあり、市場がどこまで真面目に受け止めるかは微妙なところではありますが。要警戒です。また、住宅市場の動向も注目です。直近、建設許可件数や住宅着工件数は頭打ち感がみて取れますが、一方で家賃の上昇ペースを上回って住宅価格が伸びていることがFRBの半期に一度の金融安定報告で指摘されています。もし、住宅建設の持ち直し傾向がみえれば、インフレ加速への思いを後押しする危険もあります。経済指標に着目するなら、どちらかと言えば米インフレ加速方向を警戒すべきでしょう。

上昇気味のVIX指数に注意

しかしながら、日柄的なところを考えると利食い売りによる各資産市場でのポジション決済によるノイズにも注意を払いたいです。再来週の25日は米国が感謝祭で休場となるため、16日、17日の米指標結果を一通り織り込んだ後は、休暇前のポジション調整が強まるかもしれません。米雇用統計後の金利の動きを改めて眺めると、どちらも早期利上げを後押す結果だったにもかかわらず、雇用指標後は金利が大きく低下したかと思えば、インフレ指標後は上昇するなど方向性は定まっていません。

こうした動きの背景が、休暇前のポジション調整だったとするなら、遅れて株式・為替市場にもその影響が波及してくることも考えられます。株式市場への投資家の心理状態を表すとされるVIX指数は、3日に15.10まで低下したあと18.70台まで上げており注意したいです。同指数が20を超えてくるようなら、持高調整へのムードを強めていくかもしれません。株価下落によるリスク回避の円高進行シナリオも頭の片隅に置いておきたいところです。その上で、取引はストップロス・オーダーを置いて細目に回転を利かせたいところで、値ごろ感による中長期でのポジションメイクは控えた方が無難かもしれません。

テクニカル的には上方向が期待されますが・・・

9月22日安値(109.12円)を起点とした上昇幅の38.2%押しライン(112.57円)の上側で踏み止まり、デッドクロスした5・21日移動平均線は早々に下値警戒心を和らげる格好になっています。また、日足一目均衡表・雲も切り上がる形でドル円をサポートしています。しかし、ATR(アベレージトゥルーレンジ)は最近の値幅いっぱい程度まで上昇しています。次への強い指向性がはっきりしないほか、直近の値幅近くまで上昇した点を踏まえれば下向きへの動きに対する警戒心は必要かもしれません。あえて、114円台を買い上がる気分にはなれない。ここはこらえて、113.00円以下まで引きつけてからの押し目買いにかけたい。

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ドル/円-日足;出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:
USD/JPY:112.50-115.00

11/15 週のイベント:

11/15(月)08:50日本7-9月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値)
11/15(月)13:30日本9月鉱工業生産・確報値
11/15(月)13:30日本9月設備稼働率
11/15(月)22:30米国11月ニューヨーク連銀製造業景気指数
11/16(火)13:30日本9月第三次産業活動指数(前月比)
11/16(火)22:30米国10月小売売上高
11/16(火)23:15米国10月鉱工業生産(前月比)
11/16(火)23:15米国10月設備稼働率
11/17(水)00:00米国9月企業在庫
11/17(水)00:00米国11月NAHB住宅市場指数
11/17(水)06:00米国9月対米証券投資
11/17(水)08:50日本10月貿易統計(通関ベース)
11/17(水)08:50日本9月機械受注
11/17(水)22:30米国10月住宅着工件数
11/17(水)22:30米国10月建設許可件数
11/18(木)22:30米国新規失業保険申請件数
11/18(木)22:30米国失業保険継続受給者数
11/18(木)22:30米国11月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
11/19(金)00:00米国10月景気先行指標総合指数(前月比)
11/19(金)08:30日本10月全国消費者物価指数(CPI)


(執筆:小野 直人)

一言コメント:

11月14日は何の日だかご存知だろうか。それは、女性一人で世界一周を成し遂げたネリー・ブライが米国を出発した日です。彼女は、1873年に出版されたジュール・ヴェルヌの小説、『八十日間世界一周』に刺激され実際に確かめようとした当時のジャーナリストです。東回り(欧州からアジアへ抜け米国へ戻るルート)旅を続け、おおよそ72日と6時間10分で世界を一周して米国へ戻ってきました。人間、やればできるのだな~と感心してしまう出来事ですね。

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