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「米FRBの早期テーパリング観測後退」外為総研 House View ドル/円・ユーロ/円 2021年8月

【外為総研 House View】

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目次

▼ドル/円
・ドル/円の基調と予想レンジ
・ドル/円 7月の推移
・7月の各市場
・7月のドル/円ポジション動向
・8月の日・米注目イベント
・ドル/円 8月の見通し

▼ユーロ/円
・ユーロ/円の基調と予想レンジ
・ユーロ/円 7月の推移
・7月の各市場
・7月のユーロ/円ポジション動向
・8月のユーロ圏注目イベント
・ユーロ/円 8月の見通し

ドル/円

ドル/円の基調と予想レンジ

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ドル/円 7月の推移

7月のドル/円相場は109.063~111.658円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約1.3%下落(ドル安・円高)した。 111.11円前後で取引を開始し、翌2日には111.66円前後まで上昇して年初来高値(2020年3月25日以来)を更新したものの早々に失速した。

米6月雇用統計の結果がテーパリング(量的緩和の段階的な縮小)の早期開始には物足りない内容と受け止められた事や、米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)議事録でテーパリングにやや慎重な姿勢を維持した事などから米10年債利回りが低下基調を強めると、中旬にかけてドル安・円高が進行。新型コロナ・デルタ変異株の世界的な感染拡大で市場心理が悪化した19日には109.06円前後まで下落して約1カ月半ぶりの安値を付けた。

その後は米国株の上昇などを背景に110円台を回復する場面もあったが、米10年債利回りが低位で推移する中、ドルの上値は重かった。27日には再び110円台を割り込み、109.66円前後で7月の取引を終えた。

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出所:外為どっとコム

1日
6月日銀短観の大企業・製造業業況DIは+14と前回3月の+5から上昇したものの、市場予想(+16)には届かなかった。なお、事業計画の前提となる2021年度の想定為替レートは、1ドル=106.71円だった。米6月ISM製造業景況指数は60.6と、市場予想(60.9)を僅かに下回り前月(61.2)から低下。ただ、拡大・縮小の分岐点である50.0は引き続き大きく上回った。

2日
米6月雇用統計の主な結果は、非農業部門雇用者数85.0万人増、失業率5.9%、平均時給前月比+0.3%(前年比+3.6%)であった。非農業部門雇用者数は予想(72.0万人増)を上回る伸びとなった一方、失業率は予想(5.6%)に反して悪化した。初期反応ではドルが上昇したものの、米長期金利が低下に転じるとドルも下げに転じた。

7日
FOMCは6月15-16日に開いた議事録を公表。「参加者はおおむね、周到な計画という観点から、必要な場合にテーパリングのための態勢を整えることが重要と判断した」とした一方で、幾人かのメンバーは「経済見通しを巡る不透明感は強まっており、労働市場とインフレの道筋について確固たる結論を導き出すのは時期尚早だ」と主張し、テーパリングの開始時期については手掛かりを示さなかった。

13日
米6月消費者物価指数は前月比+0.9%、前年比+5.4%と予想(+0.5%、+4.9%)を上回り、2008年8月以来、ほぼ13年ぶりの高い伸びを記録。食品とエネルギーを除いたコア指数も前年比+4.5%(予想+4.0%)に加速した。米30年債入札(240億ドル)の応札倍率が2.19倍に留まる冴えない結果となった事もあって米長期金利が上昇する中、ドルが買われた。

14日
米6月生産者物価指数は前月比+1.0%、前年比+7.3%と予想(+0.6%、+6.7%)を上回る伸びとなった。これを受けてドルは一時的に上昇したが、FRBがパウエル議長の議会証言に先立ち証言原稿を公開すると下落に転じた。議長は証言で「米経済の一段の顕著な進展」にはほど遠いとして金融政策の正常化を急がない姿勢を表明する事が明らかになった。

16日
日銀は金融政策決定会合で政策金利(-0.10%)と10年債利回り誘導目標(0.00%)をいずれも据え置いた。展望リポートでは2021年度の物価(消費者物価・コア指数)見通しを+0.1%から+0.6%に引き上げた一方、国内総生産(GDP)見通しは+4.0%から+3.8%に引き下げた。黒田総裁はその後の会見で「経済見通しは当面、下振れリスクの方が大きい」「感染症の影響を注視し、必要があれば躊躇なく追加緩和措置を講じる」などと発言した。

28日
FOMCは金融政策の据え置きを決定。声明で「経済は雇用とインフレに関する目標に向けて進展」「今後数回の会合で引き続き進捗状況について評価」としてテーパリングの議論が進行中である事を示唆した。これを受けてドルが上昇するとドル/円は110.27円前後まで上伸。しかし、パウエルFRB議長が会見で「労働市場の状況は改善したが、なお時間がかかる」「インフレは時間の経過とともに低下する」「テーパリング開始時期はデータ次第」などと慎重な姿勢を維持するとドルは反落した。

29日
米4-6月期GDP・速報値は前期比年率+6.5%と1-3月期(+6.3%)から伸びが加速したが、予想(+8.4%)には届かなかった。個人消費が前期比年率+11.8%(予想+10.5%)と高い伸びを示した事が成長を支えた反面、在庫投資や住宅投資の減少が足を引っ張った。米新規失業保険申請件数も40.0万件と市場予想(38.5万件)ほどには改善しなかった(前週42.4万件)。

7月の各市場

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7月のドル/円ポジション動向

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【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
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  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

8月の日・米注目イベント

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ドル/円 8月の見通し

7月のドル/円の下落は米10年債利回りの低下によるところが大きかった。米10年債利回りは1.50%近くから一時1.12%台へと低下。米6月失業率が予想外に上昇した事や、米連邦準備制度理事会(FRB)が早期のテーパリング(量的緩和の段階的な縮小)開始に慎重な姿勢を示した事、インフレ高進への過度な警戒感が和らいだ事などが、利回りを押し下げたと見られる。

8月も10年債利回りに代表される米長期金利の動向がドル/円相場のカギとなりそうだ。6日の米7月雇用統計、11日の米7月消費者物価指数、18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録、27日の米7月個人消費価格指数(PCEデフレーター)、26-28日のジャクソンホール会議におけるパウエルFRB議長講演などが注目されよう。これらを経て9月FOMCでテーパリング開始を宣言するとの見方が強まれば、米長期金利とドルが上昇する公算が大きい。ただ、パウエル議長はテーパリング開始については、「今後数回のFOMC」で経済情勢を評価するとしており、次回9月FOMCで開始が宣言されるためのハードルは高い。 雇用統計の大幅な改善や各種物価の伸び加速などが必須だろう。

一方で、テーパリング開始宣言が来年以降に後ずれするとの思惑が広がればドルは続落する事になるだろう。その他、米長期金利の動向に影響を及ぼすイベントとして米国債の四半期定例入札にも注目したい。なお、8月の定例入札の規模など、詳細は4日に米財務省が発表する予定となっている。
(予想レンジ:108.000-111.500円)

ユーロ/円

ユーロ/円の基調と予想レンジ

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ユーロ/円 7月の推移

7月のユーロ/円相場は128.600~132.431円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約1.2%下落(ユーロ安・円高)した。

1日の132.43円前後を高値に、上旬は売り優勢の展開。欧州中銀(ECB)がインフレ目標を修正し、利上げ時期に関する「フォワードガイダンス」を変更すると表明した事で利上げ後ずれ観測が強まった。新型コロナ・デルタ変異株の感染拡大などで市場心理が悪化した19日には129円台を割り込み、翌20日には128.60円前後まで下落した。

その後は、ECBが予告通りに「フォワードガイダンス」を変更した事による材料出尽くし感などから130円台に持ち直したが、下旬にかけては130.00円を挟んだ一進一退の動きが続いた。月末に向けて、ユーロ/ドルが強含んだ一方、ドル/円が弱含んだ事から、ユーロ/円には方向感が出にくかった。

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出所:外為どっとコム

2日
欧州中銀(ECB)のラガルド総裁は、ユーロ圏経済について「回復は良好だが、脆弱なまま」「持続可能な回復には至っていない」「より低いインフレに戻ってくると見越している」などと慎重な見方を示した。

6日
高値警戒感から独DAX指数などの欧州株が反落。欧州債利回りが低下するリスクオフの展開となる中、ユーロ売り・円買いが強まった。その後、独7月ZEW景況感調査が63.3と予想(75.2)を下回り前月(79.8)から低下するとユーロは続落した。

7日
独5月鉱工業生産は前月比-0.3%と市場予想(+0.5%)に反して落ち込んだ。その後、欧州委員会は経済見通しで、今年のユーロ圏成長率予想を+4.8%と5月時点の+4.3%から修正した。インフレ率予想についても従来の+1.7%から+1.9%へと引き上げた。いずれもユーロの反応は小さかった。

8日
ECBは金融政策の戦略点検の結果を公表。中期的なインフレ率目標を「2%」に変更すると発表した。これまでの「2%に近いが、それを下回る水準」を改め、物価の一時的な上振れを容認する。気候変動に対する考慮を金融政策に加味する事も明らかにした。ラガルド総裁はその後の会見で戦略点検の結果について「全会一致で戦略を承認」「新たな目標は明白であり、対話が容易」「インフレ目標2%は上限ではない」などと説明した。

22日
ECBは金融政策の据え置きを決定。「インフレ率は予測対象期間(3年間)終了のかなり先に2%に達する見込み」「残り期間も持続的に目標水準(2%)を維持するとみなされるまで、金利は現状かそれを下回る水準にとどまる」として金融緩和の長期化を示唆した。「(新たなガイダンスは)インフレ率がいくぶん目標を上回る過渡的な時期がある可能性も示唆」として一時的にインフレ率が目標を上回る事を容認する姿勢も示した。ラガルドECB総裁はその後の会見で「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)終了は『絶対的に』時期尚早」などとハト派姿勢を強調した。

23日
独7月製造業PMI・速報値は65.6、同サービス業PMI・速報値は62.2と、いずれも予想(64.1、59.5)を上回った。その後、ユーロ圏7月製造業PMI・速報値62.6、同サービス業PMI・速報値60.4と、こちらも揃って予想(62.5、59.3)を上回った。

26日
独7月Ifo企業景況感指数は100.8と予想(102.5)に反して前回(101.7)から低下した。欧州株安も相まって、ユーロ/円は129.68円前後まで下落した。

29日
独7月消費者物価指数・速報値は前月比+0.9%、前年比+3.8%に加速(前月+0.4%、+2.3%)。市場予想(+0.6%、+3.2%)も上回った。なお、これより前に発表された独7月雇用統計も、失業率5.7%、失業者数9.10万人減と予想(5.8%、2.90万人減)より良好だった。

30日
ユーロ圏7月消費者物価指数(HICP)・速報値は前年比+2.2%と予想(+2.0%)を上回り前月(+1.9%)から伸びが加速した。ユーロ圏4-6月期域内総生産(GDP)・速報値は前期比+2.0%(予想+1.5%)となった。これ以前に発表された仏4-6月期GDPは前期比+0.9%(予想+0.8%)、独4-6月期GDPは前期比+1.5%(予想+2.0%)だった。

7月の各市場

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7月のユーロ/円ポジション動向

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【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
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8月のユーロ圏注目イベント

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ユーロ/円 8月の見通し

ユーロ/円相場は、6月以降の下落で13週移動平均線の傾きが下向きに転じている。また、足元では7月第3週に下抜けた26週移動平均線が上値抵抗と化しており、中期視点のチャートフェースが悪化している。

こうした中、8月のユーロ/円相場の下げが最もきつくなるシナリオは、①米連邦準備制度理事会(FRB)が早期にテーパリング(量的緩和の段階的な縮小)を開始するとの見方が再燃し、②ドル高・ユーロ安が進むと同時に、③早期テーパリングへの警戒感で主要国の株価が下落し、④リスク回避の円買いが強まるケースだろう。

もっとも、現状では①の見方が再燃する可能性は低いだけに(8月26-28日に米ジャクソンホールで行われるパウエルFRB議長の講演を確認する必要はあるが)、このシナリオの実現確率は低そうだ。

8月のユーロ/円相場は、チャートフェースの悪化で軟化しやすいと見るが、128.00円前後へと緩やかにせり上がる公算の52週移動平均線は下値支持になるだろう。
(予想レンジ:128.000~132.000円)

神田卓也

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