ドル/円:107円台で調整下げ終了の可能性が点灯中。109.50超えで“ニュートラル”に変化。110円台で終えればドル強気に変化。
直近の日足は陽線で終え下値を切り上げる流れにあるが、109円台の上値抵抗を上抜けきれておらず、下値リスクを残した状態にある。一方で先週の下値トライでは107円台にあった強い下値抵抗に跳ね返されており、107円台で底打ちを確認した可能性が生じている。また、値動きの中で108.50-60にやや強い下値抵抗が出来ており、これを割り込んで来ないと下値余地も拡がり難い。109.50-60に日足の抵抗があるが、これを上抜けて終えた場合は短期トレンドが変化して上値トライの動きが強まり易くなる。さらに、110.00超えで終えた場合は“ドル強気”の流れに戻して111~112円台にある一段と強い抵抗をトライする動きが強まる可能性が高くなる。逆に、109.50超えトライに失敗して108.50割れで終えた場合は、日足の形状が悪化して下値リスクがやや高くなる。この場合は108.00前後にある下値抵抗の強さを再確認する動きが強まり易くなるが、この場合でも107.50割れで終えない限り下値余地もまだ拡がり難い。日足の上値抵抗は109.50-60,110.30-40,110.80-90に、下値抵抗は108.50-60,108.00±10銭、107.50-60にある。21日移動平均線は108.96に位置しており、若干上抜けて来たが“ダマシ”の範囲内にある。しかし、120日、200日線は105.99と105.79に位置しており、中期トレンドは“ドル強気”の流れに変わりない。 一方週足は、高値圏で引ける陽線引けとなり続落を食い止めたが、上値を切り下げる流れからは上抜けきれておらず、下値リスクを残した状態にある。一方で107円台の下値抵抗には跳ね返されており、1月に付けた102.59を基点とするサポートラインを守りきった形となっている。この週足サポートは今週107.80-90に位置しており、これを割り込んで越週しない限り、下値余地もまだ拡がり難い。今週の週足ベースで見た上値抵抗は109.60-70,110.80-90,111.50-60に、下値抵抗は108.60-70,107.80-90,106.70-80にある。31週、62週移動平均線は105.82と106.44にあり、中期トレンドをサポートしている。 一方月足を見ると、4月足は陰線引けとなり上昇一服となったが、下ヒゲがやや長く、下値トライにも失敗した形となったことや、108.50~109.00の月足の下値抵抗を守って越月しており、長期トレンドは“ドル強気”の流れを維持している。この月足の下値抵抗は、5月は108.00~108.50にある。5月足の上値抵抗は110.50~111.00,112.50~113.00に、下値抵抗は前述の108.00~108.50,107.50~108.00にある。全て下抜けて越月した場合は“ドル弱気”の流れに戻して、105~106円方向への一段のドル下落に繋がり易くなる。31ヵ月、62ヵ月移動平均線は108.11と109.00に位置しており、月足の下値抵抗として働く可能性を残している。 今週の戦略は、ドル買いは108.90-00の押し目を軽く拾って108.30で一旦撤退。ドル売りは109.30-40で売り狙い。損切りはニュートラルな状態に戻す109.60で浅めに撤退としたい。 上値は、109.30-40,109.50-60に強い抵抗があるが、109.50超えで終えた場合は日足の形状が改善して110円超えトライの動きが強まり易くなる。さらに110.00超えで終えた場合は“ドル強気”の流れに戻して110.80-90の抵抗をクリアしつつ111円超えトライへ。上値抵抗は、109.80-90,110.30-40,110.80-90,111.10-20,111.40-50、111.70-80。下値は、109.00-10まで特に強い抵抗はない。この下の108.80-90,108.60-70,108.40-50にやや強い抵抗が出来ており、下値余地が限られる展開が予想されるが、全て下抜けた場合は、108.00±10銭、107.80-90にある一段と強い抵抗をどこまで切り崩せるかトライする動きへ。可能性が低いと見るが、107.50割れで終えるか107.00割れを見た場合は新たな下げエネルギーを得て105~106円台にある一段と強い抵抗をトライする動きへ。
ドル/円【日足】期間:2020/08/27~2021/04/30(移動平均線は21、120、200日、以下日足は同様)
ドル/円【週足】期間:2018/03/16~2021/04/30(移動平均線は31、62週、以下週足は同様)
ユーロ/円:130円割れで終えない限り“ユーロ強気”を維持。押し目買い方針継続。132円超えから厚くなる上値抵抗にも注意。
直近の日足は安値圏で引ける陰線引けとなり、上昇一服となった。単体では下げエネルギーの強いものではないが、下値を急角度で切り上げて来た流れからは外れた位置で終えており、今後の上昇スピードが加速し難い展開となることが予想される。“ユーロ強気”の流れに変わりはないが、130円台後半からの急伸時に残した足元の弱さを確認する動きが強まる可能性が生じており、ユーロの押し目を丁寧に拾う方針で。日足の上値抵抗は132.00-10,133.10-20、133.80-90に、下値抵抗は、130.80-90,130.50-60,130.00-10にある。130円割れで終えた場合は短期トレンドを“ニュートラル”な状態に戻して下値リスクがやや高くなるが、この場合でも中期トレンドがまだ強く、129円割れで越週するか、128.50割れで終えない限り、短期トレンドは大きく変化しない。21日移動平均線は130.53に、120日、200日線も127.61と126.30に位置しており、短・中期トレンドともに“ユーロ強気”の流れを変えていない。 一方直近の週足は、陽線引けとなり、この足が揉み合いを上抜けて一段の上昇に繋がったが、上ヒゲもやや長く上値トライにも失敗して押し戻されており、週初は上値の重い展開となることが予想される。しかし、下値を切り上げる流れを維持していることや、130円台半ばにあった週足の上値抵抗をしっかり上抜けた位置で終えており、新たな上昇トレンド形成の動きに入った可能性が生じている。週初の下値攻めには限りがあり、再度132円超えの抵抗をトライする可能性が高いと見られ、基本戦略はユーロの押し目買い方針継続としたい。週足の上値抵抗は133.10-20,134.60-70に、下値抵抗は131.00-10,130.50-60,129.40-50にある。129.40以下で越週した場合は下値リスクが点灯、129円割れで越週した場合はトレンドが変化して一段の下落に繋がり易くなる。31週、62週移動平均線は126.81と123.86に位置しており、中期トレンドは“ユーロ強気”の流れにある。 一方月足を見ると、4月足は陽線で終え6手連続陽線引けとなり、下値を切り上げる流れに変わりない。また、4月足が、131円台に実体を置く陽線引けとなり、2008年7月に付けた169.97と、2014年12月に付けた149.55を結ぶ超長期的なレジスタンスラインからも上抜けた位置で越月しており、長期トレンドも“ユーロ強気”に変化した可能性が生じている。この月足の下値抵抗は129.50~130.00ゾーンにあり、129.50割れで越月しない限り、“ダマシ”の可能性が生じない。また、前述の通り、週足の抵抗も129.40-50にあり、129円割れで越週しない限り、“ダマシ”となる可能性が低い状態にある。一方で、個々の月足が強い上げネルギーを持ったものではないので、ユーロ急伸にも繋がり難く、引き続きゆっくりと上値余地を探る動きが継続すると見られる。5月足の上値抵抗は133.00~133.50,135.50~136.00に、下値抵抗は、129.50~130.00,125.50~126.00にある。31ヵ月、62ヵ月移動平均線は123.38と124.55に位置しており、長期的な下値抵抗として働いている。 今週の戦略は、ユーロ買いは131.10-20で押し目買い。損切りは130.40で一旦撤退。売りは今週いっぱい様子見か134.00-10の吹き値があれば売り狙い。損切りは134.50で撤退。上値は、132.00-10にやや強い抵抗があるが、これをクリアした場合は132.30-40,132.70-80,133.10-20,133.40-50,133.80-90,134.00-10にある抵抗をどこまでクリア出来るかトライする動きへ。下値は131.10-20,130.80-90にやや強い抵抗があり、ここまで押さない可能性が高いと見られるが、130.40-50,130.00-10抵抗を全て切り崩して130円割れで終えた場合は短期トレンドが“ニュートラル”な状態に変化する。この場合でも129.80-90,129.60-70,128.80-90に強い抵抗が控えており、129円割れで越週するか、日足が128.50割れで終えない限り、“ユーロ弱気”に変化しない。(川合 美智子)
ユーロ/円【日足】期間:2020/10/13~2021/04/30(移動平均線は21、120、200日) ユーロ/円【週足】
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