(1)
トランプ米大統領は、来週にも通商協議で中国側と協議する事を明らかにした。5・10日の仲値公示に向けた円売りの動きも相まってドル/円やクロス円は上昇した。
(2)
豪8月NAB企業景況感は1となり前回(3)から低下。これを受けて豪ドルが下落した。なお、中国8月消費者物価指数は前年比+2.8%と予想(+2.7%)を上回った。また、中国8月生産者物価指数は前年比-0.8%と、予想(-0.9%)ほどには低下しなかった。
(3)
「日銀が9月会合で金融緩和の是非を議論」と一部通信社が伝えた事を受けて円が売られる場面があった。なお、記事は複数の関係者の話として「日銀内では海外経済の不確実性の増大を懸念する声が多く、9月会合で『物価安定の目標』に向けたモメンタムに悪影響を及ぼさないか点検する。仮に金融緩和が必要と判断すれば、マイナス金利の深掘りが有力な選択肢となりそうだ」としている。
(4)
英8月失業率は3.3%、同失業保険申請件数は2.82万件(前回:3.2%、1.98万件)であった。また、5-7月のILO失業率は3.8%と予想(3.9%)より良好で、5-7月の週平均賃金は前年比4.0%と予想(+3.7%)を大きく上回る伸びとなった。
(5)
香港紙は「中国は、通商協議で米農産品の購入拡大で合意する可能性」と報じた。記事によると中国は、米関税の延期と中国通信機器大手ファーウェイへの制裁の緩和を条件に米農産品の購入を拡大する方針との事。また、両国は実務者レベルで合意の文言について議論しており、10月の閣僚級協議で文言は再考される事も伝えられた。
ドル/円の見通し
昨日のドル/円は終値ベースで約0.3%上昇。香港紙が、中国はファーウェイへの制裁緩和などを条件に米農産品の購入を拡大する方針と報じた事を受けて米長期金利が上昇する中、一時107.58円前後まで上値を伸ばした。なお、米中協議を巡る香港紙の報道によると、両国は実務者レベルで合意の文言について議論しているとの事だ。
ユーロ圏、米国、日本と続く主要国の金融政策発表を間近に控え、皮肉にも世界レベルで長期金利が反転上昇している。米中の対立緩和期待を呼び水に、債券買いに大きく傾いたポジションの巻き戻しが起きているようだ。8月に一時1.4%台に低下していた米10年債利回りは昨日のNY市場で1.7%台を回復しており、ドル/円相場を支えた。本日も、米長期金利の動きが注目される。