(1)
本邦4-6月期国内総生産(GDP)・改定値は前期比年率+1.3%と、予想通りに速報値(+1.8%)から下方修正された。
(2)
英7月国内総生産(GDP)は前月比+0.3%と予想(+0.1%)を上回った。同様に、英7月鉱工業生産も前月比+0.1%と予想(-0.3%)に反して上昇。これらを受けてポンドが上昇した。なお、英国ではこの日、欧州連合(EU)離脱延期法案(合意なき離脱阻止法案)が成立しており、「合意なき離脱」への懸念が和らいだ事もポンドを支援した。ただ、ジョンソン英首相は「議会でなにが起ころうと絶対に屈しない」と述べて議会との対決姿勢を鮮明にした。
(3)
「ドイツ政府は、連邦予算には含まれない新たな債務を引き受ける独立した公共団体の設立を検討している」と報じられた事を受けて独長期金利の上昇とともにユーロ買いが強まった。報道によると、ドイツ政府は、厳格な財政ルールに抵触しない「影の予算」創設で、低迷する国内経済への投資を行うとの事。
(4)
バーコウ英下院議長が辞任を表明した事を受けて、ポンドが弱含む場面があった。
(5)
独財政拡大の思惑も手伝って米長期金利が上昇する中、ドル/円が107.27円前後まで上値を伸ばして8月2日以来の高値を付けた。
ドル/円の見通し
昨日のドル/円は約0.3%高の107.20円台でクローズ。NY市場に入ると、米長期金利の上昇に連れてドル買い・円売りが優勢となった。昨日の上昇によって過去1カ月のレンジ上限を突破した格好で、一段高が期待できそうなチャートの形状となっている。ただ、107.40-70円台には日足一目均衡表の雲が横たわっており、これを抜けられるかがカギとなりそうだ。昨日、ドイツの財政拡大観測などで活気付いた欧米債券市場で、利回り上昇の流れが続くかが焦点となろう。