
執筆日時:2026年6月8日 16時15分
執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人
2026年5月の米雇用統計はNFPが17.2万人増と予想(8.5万人)を大幅に上回り、失業率は4.3%で横ばい。年内利上げ観測が強まりドル円は160円台へ。当日の株式・金市場の反応も解説します。

※チャート:ドル/円-5分足 外為どっとコム「ネオチャート」
2026年5月の米雇用統計:年内利上げ期待がドルをサポート
2026年5月分の米国雇用統計は、労働市場の底堅さを改めて示す内容となりました。非農業部門雇用者数(NFP)は前月比17.2万人増と、市場予想の8.5万人増を大きく上回り、米経済の底堅さを意識させる結果となりました。失業率は4.3%と前月から横ばいで、低水準を維持しました。
また、平均時給は前月比0.3%、前年同月比3.4%上昇し、賃金インフレ圧力が一定程度残っていることも確認されました。これらの結果を受け、市場では年内の利上げ観測が強まり、CMEの FedWatchツールでは12月までの利上げ確率が7割台へ上昇しました。
セクター別の動向
セクター別では、レジャー・接客が7.0万人増、地方政府が5.5万人増、医療が3.5万人増となり、サービス関連や公的部門、医療分野が雇用増をけん引しました。一方、金融関連は2.2万人減少し、製造業を含む多くの主要業種では大きな変化は見られませんでした。
当日の市場反応
為替市場
結果を受けて、ドル円は160.343円まで上昇しました。ただ、日本の通貨当局による介入リスクが意識される中、週末前のポジション調整から、上昇一巡後は伸び悩みました。
株式市場
米国の金利先高観による警戒心から、株価には調整圧力がかかりAI関連を中心に下落しました。
- ダウ平均 前日比:-1.35%(-695.15ドル)の50,866.78ドル
- ナスダック総合 前日比:-4.18%(-1,121.53ポイント)の25,709.43ポイント
- S&P500 前日比:-2.64%(-200.57ポイント)の7,383.74ポイント
金市場
5月の米雇用統計を受けて、米10年債利回りは4.55%台まで上昇したことが重しとなり、4,300ドル台半ばまで下落しました。

※チャート:左上から横に米国S&P500、米国D30、日本N225、金スポット、5分足 外為どっとコム「株価指数・商品CFDチャート」
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米雇用統計の予想と戦略(先行記事へのリンク)
小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。
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