
作成日:2026年4月1日 12時00分
監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 小野直人
今後1週間の想定レンジ:51,500円 〜 56,000円
来週の日経平均株価は、トランプ米大統領の演説を受けた地政学リスク後退への期待を背景に、堅調な推移を予想します。ただし、米国の雇用統計の結果や日銀の追加利上げ観測が上値を抑える要因となるため、価格変動リスクには引き続き注意が必要です。
トランプ演説と米雇用統計が上昇加速への起爆剤
足元の日経平均株価は、中東情勢の緊迫化に伴う原油高や米国のインフレ懸念を受け、51,000円〜53,000円台のレンジで不安定な値動きが続いてきました。しかし、4月1日(日本時間4月2日午前10時)のトランプ大統領の国民向け演説を機に、相場環境が変化する可能性があります。
最大の焦点は、対イラン軍事作戦の早期終了観測が具体化するかどうかです。演説で撤退への道筋がより明確に示されれば、来週は地政学リスク後退への期待が相場を下支えするとみられます。
もう一つの注目材料は米国景気です。4月3日発表の米・3月雇用統計において雇用市場の減速が確認されれば、米利下げ期待が強まり、日経平均の押し上げ要因となります。
米軍撤退に伴う抑止力の低下には警戒
ただし、中東の地政学リスクが完全に払拭されたと判断するのは時期尚早です。トランプ氏の演説を経て撤退が現実味を帯びるなか、市場の関心は「米軍による抑止力が低下した後の影響」へと移っていく可能性があります。
これまで米軍の存在は、イスラエルによる過度な軍事行動を抑える機能も果たしてきました。米国が撤退を急ぐことでこの抑止力が失われ、イスラエルがイランに対して単独で強硬な措置に踏み切る懸念も浮上します。抑止力低下によって地域の緊張が再燃し、原油価格が上昇する危険もあり、先行きは流動的です。
日銀の4月追加上げ観測はなくならない
国内に目を向けると、企業景況感の底堅さが日本株の支えとなっています。4月1日に発表された3月日銀短観では、大企業製造業DIが17と前回の16から改善し、大企業非製造業DIも36と高水準を維持しました。企業マインドが大きく崩れていないことは、日経平均の下値サポート要因です。
一方で、日本の3月製造業PMIは51.6と拡大を維持したものの、投入コストの上昇率が2024年8月以来の高水準となりました。景況感は悪くないものの、コスト環境は厳しいというのが日本企業の現状と言えます。
そのため、日銀の金融政策を巡る思惑が高まっても不思議ではありません。日銀は3月会合で政策金利を0.75%に据え置きましたが、今回の短観では企業の1年後の物価見通しが2.6%に上昇しました。地政学リスクが後退しても円安修正が進みにくいのであれば、日銀が行動を起こす可能性は十分にあります。これは金融株にはプラス材料となる一方、輸出関連株には逆風となりやすく、日経平均全体の上値を抑える可能性があります。
テクニカル分析:底を打ち、短期的な反発をうかがう局面

チャート形状およびテクニカル指標からは、2月下旬からの下落局面が一旦底を打ち、短期的な反発をうかがう局面に差し掛かっています。
移動平均線とローソク足
2月後半からの下落トレンドにおいて、足元のローソク足は51,000円近辺で複数回下ヒゲをつけており、この水準が下値支持線として機能しています。下向きだった10日線が横ばいに変化しつつあり、株価がこの線を明確に上抜けて定着できれば、調整局面の終了を示唆するサインとなります。なお、長期トレンドを示す200日移動平均線は現在値より下方に位置しており、長期的な上昇トレンドは維持されています。
オシレーター(RSI)の推移
買われすぎ・売られすぎを示すRSI(9)は、3月中旬の売られすぎ水準(25付近)から反発し、現在は強弱の分岐点である50付近(中立水準)まで回復しています。下落の勢いは一服しており、ここからRSIが50を上抜けて推移できるかが今後の方向感を左右します。
上値と下値のメド
終値ベースで10日線(52,560円)を上回って推移できれば、次の上値目標は3月中旬に揉み合った水準54,000円レベルや、その上の抵抗帯と目される55,000円〜57,000円付近となります。逆に、10日線を維持できずに再び下落に転じた場合は、直近で反発している51,000円水準が下値のメドとなります。ここを明確に割り込んだ場合は、一段の下落に対する警戒が必要です。
テクニカル面からも、51,000円割れを警戒しつつ、10日線突破からの54,000円台への上昇を想定する戦略が有効と考えられます。
主な注目スケジュール(4/1〜4/8)
- 4/2(木)10:00 トランプ米大統領の国民向け演説
- 4/3(金)21:30 米3月雇用統計
- 4/6(月)23:00 米3月ISM非製造業景況指数
- 4/9(木)3:00 米FOMC議事要旨
日付は日本時間
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小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。
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