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ガソリン価格、高騰の危機去った?それとも...|米イラン「5日間猶予」で揺れる原油相場シナリオ(WTI/USD 週間見通し)2026/3/24

 

作成日:2026年3月24日 12時30分
監修 株式会社外為どっとコム総研 小野直人

最後通牒が一転対話へ「アルゴリズム取引」が変動幅を増幅

原油市場は、トランプ米大統領がイランに突きつけた「48時間期限」に伴う軍事衝突リスクを限界まで織り込み、緊迫した地合いが続いていました。しかし、日本時間23日夜、事態は転換を迎えています。大統領がSNSを通じ、「生産的な協議」が行われたこと、および「エネルギー関連施設への攻撃を5日間延期する」意向を表明したのです。

この電撃的な発表に対し、WTI原油先物は一時13%超の暴落を演じ、1バレル=85ドル台前半まで叩き売られました。市場の一部では、特定のキーワードに即応するAI・アルゴリズム取引が下落スピードを増幅したとの声も囁かれていました。

その後、イラン側が交渉の事実を否定したことで、価格は96ドル台へ急反発するなど、価格が大きく変動しました。受給などのファンダメンタルズから、政治的なレトリック一つで相場が翻弄される、極めて不安定なフェーズへと移行しています。原油相場の方向性が定まらない中、これに連動するガソリン価格が上昇・下落のどちらに振れるのか、その行方が強く注目されます。

WTI原油先物とイラン関連の主なニュース

  • 2月20日 66.39ドル
    米国とイランの緊張は高まっていたものの、この時点では本格的な軍事衝突には至らず、市場は中東情勢を警戒しつつもWTI原油先物は60ドル台後半で推移。
  • 2月28日 週明けに75ドル近辺へ上昇
    2月28日に米国とイスラエルがイランを攻撃し、最高指導者アリ・ハメネイ師の死亡が報じられたことで、中東情勢は一気に戦争色を強めた。これを受けて週明け3月2日にはWTI原油先物は75ドル近辺まで上昇。
  • 3月9日 週明けに一時119ドル付近へ急騰
    イラン情勢の悪化を背景に、ホルムズ海峡をめぐる供給懸念が一段と強まり、WTI原油先物は取引時間中に一時119ドル台まで急騰。ただし、その後は上げ幅を縮め、終値は94.77ドル。
  • 3月11日 87.25ドル
    IEA加盟国は計4億バレルという過去最大規模の緊急備蓄放出で合意したが、市場では供給不安を十分に打ち消せないとの見方が優勢だった。ホルムズ海峡周辺での船舶被害拡大も重なり、WTI原油先物は87.25ドルまで反発。
  • 3月18日 96.32ドル
    イスラエルによるイランの主要ガス施設(南パルス・ガス田)への攻撃や、イランによる湾岸エネルギー施設への報復が伝わり、供給途絶リスクが改めて意識された。WTI原油先物は96.32ドルで取引を終え、その後も上値を試す動きが続いた。
  • 3月20日 98.32ドル(高値99.67ドル)
    ホルムズ海峡を通る物流の混乱が続く中、イラクの油田停止も加わって供給懸念は一段と強まった。WTI原油先物は98.32ドルで取引を終え、取引時間中には99ドル台後半まで上昇。供給正常化にはなお時間がかかるとの見方が相場を支えた。
  • 3月23日 週明けの欧州時間序盤に一時101ドル台へ上昇後、84ドル台へ下落
    トランプ米大統領が22日、「イランがホルムズ海峡を完全に再開しなければ、同国の発電所を攻撃する」と警告した。しかし、23日にその方針を変えて5日間の攻撃延期を表明。イランは認めていないが、一方的にイラン側と交渉しているとも表明。

直近のNY原油先物価格と中東関連のニュース

直近のNY原油先物価格と中東関連のニュース

激動の原油市場:いま注視したい5つのシグナル

今後「空白の5日間」において、どのような方向に向かうかで、この先の原油相場が大きく変動し得ることは容易に推察できます。現時点では米国とイランの対話の行方を見極めるだけしかできませんが、市場が方向感を得るために注視すべき実務的ポイントを簡単にまとめました。

  • ホルムズ海峡のタンカー実航行データ(リアルタイム):発言の真偽を測る最も信頼できる客観的指標。通航量の回復が確認されれば、地政学リスクプレミアムの剥落を促す強力な要因となります。
  • 米政府・国防総省の公式声明との整合性:大統領個人の発信と、国防総省や実地部隊の展開状況に乖離がないか。不一致が見られる場合、攻撃再開に向けた「準備期間」であるリスクが再燃します。
  • オマーン等、第三国による仲介動静:双方が公式交渉を否定する裏で、仲介国を通じた非公式なメッセージ交換が行われているか。その動静は、事態が破局に向かうか収束に向かうかを予測する鍵となります。
  • 追加備蓄放出の有無・示唆に注目:インフレ抑制を至上命題とする米政権が、軍事行動の延期と引き換えに、供給不安を補完する「備蓄放出」というカードを準備しているかに注目です。
  • オプション市場のボラティリティ指数(OVX):投機筋のポジションの偏りを確認し、不意のニュースによる「逆回転(強制決済)」のリスクを算出する必要があります。

テクニカル分析:8時間足が示唆する「トレンドの分岐点」

WTI原油 8時間足/10本移動平均線/RSI 9(外為どっとコムCFDネクスト)

WTI原油 8時間足/10本移動平均線/RSI 9(外為どっとコムCFDネクスト)

 

こうした地政学的な揺さぶりは、チャート上にも鮮明な爪痕を残しています。

移動平均線(10本SMA)の攻防

現在、8時間足の10本SMAは95.00ドル付近に停滞しています。価格はこのラインを下回る水準で推移しており、この95ドルを「上値抵抗帯」としてワークするのかどうかが、市場の弱気心理を占う指標となりそうです。

RSI(9本)の示唆

一方、RSIは36レベルまで低下しています。売られすぎ圏(30以下)に近い水準にあるため、短期的には下落圧力が一巡した後の「自律反発」が起きやすい位置です。ただし、強弱の分岐点である50を依然として下回っており、売り圧力が意識されやすい状況が続いています。

需給の歪み

大陰線で急落した形状は、上値に膨大な滞留ポジションが存在することを示唆しています。当面は95ドルから100ドル(心理的節目)のレンジでは戻り売りが出やすいとみられます。

※数字は当社レートをもとに算出

両方向を想定するのが無難

市場が直面しているリスクは、以下の両極端なシナリオに集約されます。

【上昇】期限の決裂と「スタグフレーション」の連鎖

猶予期間中に実質的な進展が見られず、100ドルの抵抗線を突破して軍事衝突に至った場合、WTI原油先物は110ドルに向け、模索する展開となりそうです。この場合、エネルギー高騰と世界的な景気後退が並行する「スタグフレーション」のリスクが現実味を帯び、原油市場のみならず、株式や債券を含む全アセットクラスを巻き込むシステミック・リスクへと発展する恐れがあります。

【下落】米国・イランの対話進展で投機筋の投げ売りが再開

一方、イランの譲歩(通航容認など)が確認されれば、供給不安の後退でまずは投機資金流出が加速し、価格は80ドル割れまで大幅に調整する可能性もあります。

今週の主な予定・経済カレンダー

  • 3月25日 EIA週次石油在庫統計
  • 3月29日ごろ 米国が示した対イラン「5日間猶予」の期限
  • 4月5日 OPEC+会合
 
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