
総括
FX「①経済指標改善、②野党弾圧加速、③ガザ和平とトルコの関係」トルコリラ見通し
(通貨最下位、株価10位)
予想レンジ トルコリラ/円3.4-3.9
*引き続きリラ円は円安で浮上。株は安く、金利上昇
*経済指標は悪くはない、経常黒字が過去最大
*気になる外貨準備高の増加
*野党弾圧 アンカラ市長にも
*トルコの反対でイスラエル首相がガザ和平会議参加辞退
*9月消費者物価、予想外に上昇
*トルコに膨大なレアアースの埋蔵があるとされている
*今年は金利差が為替差損をかろうじて上回っている
*OECD、EBRDがトルコの成長見通しを上方修正
*リラ安の大きな要因は膨大な外貨預金
*トルコの最低賃金労働者の70%が与党に投票しない
*野党CHPの指導部に関する判決が裁判所によって10月24日まで延期
*ロシア支援の新原発の稼働が遅れる
*格付け引き上げ、ムーディーズ
(引き続きリラ円は円安で浮上。株は安く、金利上昇)
10月のリラ円はここまで1.97%上昇、一方、対ドルでは弱く0.9%下落。円安がリラを浮上させているという安心感のない上昇。
9月消費者物価が予想に反し上昇したことで、株価指数(イスタンブール100)が下落。年間で7.38%高と前々週の10.01%高から伸び幅縮小。10年国債利回りは31.26%と高い。
(経済指標は悪くはない、経常黒字が過去最大)
*8月経常収支は54億ドルの黒字で過去最大の黒字
*8月小売売上は前年比12.2%増(前月13.3%増)
*8月鉱工業生産は前年比7.1%増(前月5.2%増)
(気になる外貨準備高の増加)
9月に2023年のCHP党首選出が虚偽と裁判所に指摘され市場が混乱した時は
政府はリラ買い介入で対応した。ただこのところは外貨準備が増加している。リラの急騰も好ましくないとする政府の調整のリラ売りが出ているのだろう。
(アンカラ市長にも抑圧)
現在、拘束されている、エルドアン大統領より支持率の高いイマモール・イスタンブール市長だが、現実的に出馬できない場合、アンカラ市長が大統領選の最有力候補となると見られていた。ヤヴァシュ・アンカラ市長も、世論調査での支持率でエルドアン大統領を上回っている。
ただアンカラ市長にも政府の抑圧の手が伸びてっ来た。アンカラ市の現職および元職員を含む13人が、市主催のコンサートへの支出に関する汚職捜査で拘留された。ヤヴァシュ氏は、この作戦は政治的動機によるものだと主張した。
野党CHPが最も成功した政党となり与党AKPが最悪の選挙敗北を喫した昨年の地方選挙以来、CHPまたはイスタンブール市当局に関係する500人以上が拘留または逮捕されている。
テクニカル分析(トルコリラ/円)
上窓明け、ただボリバン3σ上限から反落
日足、10月6日は上窓明けでボリバン3σ上限へ。ただ先週末は米中関税戦争激化でのリスク回避の動きで6日ぶり陰線。昨日は持ち直す。10月6日-13日の上昇ラインがサポート。10月10日-13日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ下限から反発。9月29日週-10月6日週の上昇ラインがサポート。7月28日週-10月6日週の下降ラインが上値抵抗。5週線上向き、20週線下向き。
月足、3月-4月の上昇ラインを下抜く。2σ下限から若干乖離。3月-9
月の上昇ラインがサポート。4月-8月の下降ラインが上値抵抗。
年足、2024年で10年連続陰線。その間52円から3円台へ沈む。2025年もここまで陰線。

メルハバ
イスラエル首相がガザ和平会議参加辞退
ガザの和平国際会議にはイスラエルのネタニヤフ首相は出席しなかった。トルコやアラブ諸国が猛反対していた。
トルコメディアによれば、ネタニヤフ氏との関係が冷え込むエルドアン大統領はエジプトへ向かう途中の機内でネタニヤフ氏の出席を知り、トルコへ引き返すと激怒。飛行機は紅海上空をしばらく旋回し、欠席が決まるとようやく着陸したという。
トランプ大統領はエルドアン大統領を「難しい人だが頼りになる」と評している。
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