
メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2025年8月8日15時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト神田卓也
X(Twitter)@KandaTakuya
執筆:外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田 卓也
豪ドル/円(4時間足)

※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週の豪ドル/円は一時95円割れから反発
先々週1日の「米雇用統計ショック」の影響が残った4日には94.91円前後まで下落する場面もありました。5日にも一時95円台を割り込みましたが、円を買う理由に乏しい中で切り返すと、翌6日には96円台を回復。この日は米国株がハイテク銘柄を中心に堅調だったことが豪ドル/円相場をサポートする展開でした。7日には、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測を背景にドルが続落する中、豪ドル/米ドルが続伸したことから96.21円前後まで強含みましたが、ドル/円が小幅に下落したため伸び悩みました。ただ、豪ドル/円の下値は限定的で8日の東京市場では、株高などを背景に15時時点で96円台に値を戻しています。
今週の豪ドル/円の注目ポイントはRBA
豪中銀(RBA)は今週12日の理事会で政策金利を3.85%から3.60%に引き下げる見通しです。もっとも、市場は25bp(0.25%ポイント)の利下げを完全に織り込み済みであり、関心は今後の利下げペースに向かっています。予想通りに25bpの利下げが決まれば、声明やブロック総裁の会見に追加利下げのヒントが滲むかが焦点となるでしょう。米国の関税政策や豪州の労働市場に対する「不確実性」を理由に、積極的な利下げに慎重な姿勢を示せば次回9月の利下げ観測が後退するとともに豪ドルが買われそうです。一方でインフレ見通しの改善などを背景に追加利下げに前向きな姿勢が示されれば豪ドルは下落すると考えられます。なお、豪州では今週13日に4-6月期賃金指数、14日に7月雇用統計と、RBAが注目する労働関連の経済指標が立て続けに発表されます。
今週の豪ドル/円の見通し
予想レンジ
94.000~97.500円
基調
方向感模索
今週の注目ポイント
☆8/12 豪4-6月期CPI
・主要国株価、国際商品価格
株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
