
総括
FX「利下げ期待で株価急騰。リラは中銀が小刻みにリラ売り介入で小動き」トルコリラ見通し
(通貨最下位、株価12位)
予想レンジ トルコリラ/円3.4-3.9
*利下げ期待で株価急騰。リラ円はじり安、雲に入れず
*インフレ期待低下
*今週は利下げか
*リラの先行きは、GDPは
*今週の他の経済指標は
*外貨準備増減に見る通貨政策
*経済団体は、利下げとリラ安を要求
*政府は野党を抑圧
*1ドル40リラのせ
*リラ安の主因=トルコの外貨預金が規格外に大きい
(利下げ期待で株価急騰。リラ円はじり安)
現在、1リラ3.64円で年間では対円17.65%安、対ドル13.51%安、対ドルでは1ドル40リラ台が続く。イスタンブール100株価指数は利下げ期待で昨日は2.41%高、年間では7.99%高。10年国債は31.59%。
(インフレ期待低下)
トルコ中銀が昨日実施した調査によると、インフレ率は年末時点で29.66%に低下すると予想されており、今週の主要政策金利会合を前に期待が引き続き改善していることが示された。
6月の市場参加者調査によると、この予測は6月の予想29.86%、5月の予想30.35%から低下した。
インフレ率は6月にようやく35.05%に低下した。月次インフレ率は1.37%で、食品や飲料といった主要カテゴリーの価格下落は、デインフレ傾向が定着しつつあるという中銀の見解を裏付けている。中銀は、金融政策の方向性を決定する要因の一つとしてインフレ期待を繰り返し挙げている。
(今週は利下げか)
6月のインフレ率が予想を下回ったことで、中銀が今週木曜日の金融政策委員会(MPC)会合で利下げサイクルに戻るとの期待が再燃した。
ロイターの調査では、17人のエコノミストのうち1人を除く全員が、今週、政策金利を引き下げると予想した。中央値は0.25%の利下げで43.50%となり、緩和を予想するエコノミストの間では42.50%から44.50%の予想が示された。
もし実施されれば、4月の3.5%の予想外の利上げ以来初の利下げとなる。この利上げは、3月にイスタンブール市長イマモール氏の投獄を受けてトルコの資産とトルコリラが急落した後、市場の安定化に貢献した。イマモール氏は汚職容疑で逮捕され、公判を待っている。
(リラの先行きは、GDPは)
通貨では、参加者は年末のドル/リラ予想を43.57から43.72にわずかに上方修正しました。12ヶ月後の為替レート予想も47.04から47.70に上方修正された。
一方、2025年と2026年の国内総生産(GDP)成長率予測はそれぞれ2.9%と3.7%で変更なしだった。
(今週の他の経済指標は)
今週は政策金利決定の他に、7月消費者信頼感指数の発表がある。予想は85.5、前回は85.1。7月企業信頼感の予想は99.6、前回は100.3。
テクニカル分析(トルコリラ/円)
雲に入れず反落
日足、ボリバン2σ下限から上限へ反発。その後は雲に入れず再び中位へ反落。7月2日-18日の上昇ラインを下抜く。7月16日-21日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き、20日線下向き。
週足、ボリバン下位。3月17日週-6月30日週の上昇ラインがサポート。5月12日週-7月14日週の下降ラインが上値抵抗。5週線下向き、20週線下向き。
月足、3月-4月の上昇ラインを下抜く。現在は2σ下限あたり。3月-6
月の上昇ラインがサポート。5月-6月の下降ラインが上抜くか。
年足、2024年で10年連続陰線。その間52円から3円台へ沈む。2025年もここまで陰線。

メルハバ
外貨準備増減に見る通貨政策
トルコの外貨準備高は、3月のイマモール・いイスタンブール市長の拘束を受けての金融市場混乱でリラ買い介入を行ったことで急減した。ただ5月からはドル買い戻し(リラ売り)に入り外貨準備高が増加している。3月は970.7億ドル、介入で515.8億ドルに減少、その後ドル買い戻しで7月18日付では815.5億ドルに戻している。
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