総括
FX「アメリカ離れだが通貨は蜜月。香港はてんやわんやで介入二刀流」人民元見通し
(通貨10位、株価13位=上海、香港ハンセンは3位)
予想レンジ 人民元/円 19.8-20.3
(ポイント)
*人民元は年初来10位、11位のドルと共に歩む
*6月PMIは小幅改善中
*香港ドル、当局はペッグ制死守で売ったり買ったり二刀流
*米国とベトナムが関税合意、中国の迂回輸出を抑制
*米財務長官:中国が希土類磁石の輸出を加速させることを期待
*中国と欧州は近づく
*世界の準備資産が金、ユーロ、人民元にシフト
*台湾は「国」だ、頼総統が中国に反論
*対米関税問題を避けるため他国への積極外交を展開している
*小売売上好調。鉱工業生産やや弱く、対米輸出は大きく落ち込む
*米中貿易合意の詳細はまだ発表されず。習首席の発言もない
*5月消費者物価は4か月連続で低下、前年比で0.1%低下
(人民元は年初来10位、11位のドルと共に歩む)
6月は8位、ドルが10位(円が9位で米中に割り込んだ)。年間では人民元は年初来10位、11位のドルと共に歩む。上海総合指数は年初来3.07%高、香港ハンセン指数は20.75%高。10年国債利回りは1.64%。
(6月PMIは小幅改善中)
・政府版
製造業49.7(前月49.5)
非製造業50.5(同50.3)
・財新
製造業50.4(同48.3)
本日は財新サービス業、予想は51.0、前月は51.1
(米国とベトナムが関税合意、中国の迂回輸出を抑制)
米国はベトナムとの間で関税交渉で合意した。ベトナムからの対米輸出品には20%の関税、ベトナムを経由した迂回輸出と見なされる製品には40%の関税が適用される。中国企業を世界のサプライチェーンから切り離すような合意を各国と結ぼうとする米国の取り組みに、中国は懸念を深めている。
(米財務長官:中国が希土類磁石の輸出を加速させることを期待)
ベッセント米財務長官は、米中が先月合意に達したことを受け、中国が希土類磁石の輸出規制をさらに緩和することを期待していると述べた。財務長官は希土類の流通は再開したものの、数量はまだ4月4日以前の水準には達していないと述べた。
(中国と欧州は近づく)
フォンデアライエン欧州委員長は王毅外相と会談した。王氏は「今年は中国とEUの国交樹立50周年であり、各方面が中EU関係の行方を懸念している。今年は国連創設80周年でもあり、人類の選択は世界の注目を集めている。国際情勢が複雑で厳しさを増すほど、中国とEUは二つの大文明、二つの大勢力として意思疎通を強化し、相互信頼を深め、責任を負い、世界の安定と確実性をしっかりと担う必要がある」と述べた。
双方は多国間主義と自由貿易を堅持し、国際ルールと国際秩序を守り、国際紛争の平和的解決を促進し、気候変動などの地球規模の課題に協力して取り組むべきであることで合意した。
テクニカル分析(人民元/円)
6月23日の長い上ヒゲがまだ効いている。雲の上は維持
日足、6月23日の長い上ヒゲで下落も雲の上に留まる。6月13日-7月1日の上昇ラインがサポート。6月23日-7月2日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き、20日線上向き。
週足、ボリバン中位越えから反落。5月12日週の波高し線と同じく6月23日週も長い上ヒゲを出した。4月21日週-6月2日週の上昇ラインを下抜け。5月12日週-6月23日週の下降ラインが上値抵抗。5週線上向き、20週線下向き。
月足、5月、6月は連続陽線。ただ上ヒゲが両月途も長い。5月-6月の上昇ラインがサポート。2月-5月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線下向き。
年足、2024年までは5年連続陽線。2025年は陰線スタート。23年-24年の上昇ラインを下抜く。
チーファンラマ
香港ドルてんやわんや、香港当局介入二刀流
香港金融管理局(HKMA)は、香港ドルと米ドルとのペッグ(連動)防衛のため香港ドル買い介入を増強した。
香港ドルはここ数カ月間にわたり、許容レンジの上下限を行き来する不安定な値動きを続けている。現在のレンジ幅を導入した2005年以来、当局が1年以内に上下限両方の水準で介入を実施したのは初めて。
こうした変動はペッグ制の持続可能性に対する議論を一層激化させている。現時点で制度変更の兆しは見られないものの、市場関係者の間では、許容レンジ拡大や人民元との連動、さらには変動相場制への移行といった可能性が取り沙汰されている。
今年5月、広範な米ドル安を背景に香港ドルへの買いが殺到し、許容レンジ上限の1米ドル=7.75香港ドルを超える勢いとなったため、当局は通貨高抑制のため大量の流動性を金融システムに供給した。しかし、この措置は香港ドルの急反落を引き起こし、一転してレンジ下限の7.85香港ドルまで下落した。(ペッグ制の許容変動幅は1ドル7.75-7.85香港ドル)
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