「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
X(Twitter) : https://twitter.com/gaitamesk_ueha
最新のマーケット情報まとめ
<米中通商協議の動向>
・先月スイスで合意された内容を実行する枠組みで一致
・習近平国家主席の承認待ちの状況
・トランプ大統領は「合意が成立、あとは習近平国家主席の承認だけ」と発言
・アメリカは55%の関税を得る一方、中国は10%という内容
・55%の内訳:10%一律関税 + 20%の関連税率 + 一期目からの既存税率
<ドル円相場の動向>
一時145円台半ばまで上昇したが、中国からの正式発表がないため上値が重い
その後大きく下落し、現在は144円を割り込む展開
下落要因
1. アメリカCPI(消費者物価指数)
予想を下回る結果となり、利下げ観測が高まる
トランプ大統領とバンス副大統領が利下げを要求
2. 地政学的リスク
在イラク 米国大使館の一部職員が退避
トランプ大統領がイランとの核協議に自信を失っているとの発言
イランは協議決裂時にアメリカが攻撃すれば中東の米軍施設に報復攻撃すると警告
3. 関税政策の不確実性
トランプ大統領が2週間以内に一方的に関税率を設定すると発言
各国・地域に書簡を送付予定
<テクニカル分析>
145円を終値で突破ができず上値が重い状況
下値は142円付近にサポートあり
レンジ相場が継続する可能性
<結論>
現在のドル円相場は、米中通商協議の進展待ちと複数の下落要因により方向感を欠いている状況。144円を中心としたレンジ相場が続く可能性が高く、明確な方向性を見極めることが重要。地政学的リスクや関税政策の不確実性がドルの重石となっており、短期的には慎重な姿勢が必要。
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宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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