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外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。
動画の内容まとめ
米中会談合意による初期の市場反応
米CPI(消費者物価指数)発表前に、トランプ大統領が米中会談の合意成立をソーシャルメディアで発表しました。この発表を受けて、ドル円は一時145.46円前後まで急上昇しました。合意内容については、中国が55%の関税を支払い、アメリカは10%とする一方、レアアースの輸出再開や米国による中国人大学生の留学受け入れなどが含まれています。ただし、具体的な詳細はまだ明らかになっておらず、今後継続的に協議が進められる見込みです。
米CPI発表による市場の急変
米中合意による上昇の直後に米CPIが発表され、ドル円は急落しました。CPIは前月比で0.2%から0.1%に低下し、前年比は2.4%となりました。これは前回の2.3%から若干上昇したものの、予想の2.5%を下回る結果となりました。コア指数も前月比で0.2%から0.1%に低下し、前年比は2.8%で変わらず、予想の2.9%を下回りました。
CPI低下の主要因は、エネルギー関連の価格下落でした。ガソリンが2.6%下落、エネルギー全体で2.4%下落となりました。また、新車が0.3%下落、中古車が0.5%下落、アパレルが0.46%下落するなど、幅広い品目で価格が低下しました。家賃は変わらなかったものの、他の項目の下落が家賃上昇分を相殺する形となりました。
一方で、玩具などは大幅に上昇しており、これは輸入関税上昇の影響とみられます。ただし、5月のCPIでは輸入業者が関税引き上げ前の駆け込み輸入した商品を販売していた可能性もあり、関税の影響がまだ顕著に現れていない可能性もあります。
金利市場の動向
CPI発表を受けて、アメリカの長期金利が低下しました。10年債金利は4.5%程度から4.42%程度まで低下し、さらに10年債入札が夜中の2時に実施された際に再度下落しました。入札は一定程度の需要があり、おおむね順調に消化されました。本日は30年債入札が予定されており、引き続き注目が必要です。
株式市場の急変と中東情勢の影響
長期金利低下を受けて株価は上昇しましたが、後半にかけて急落しました。ダウ平均は一時4万3,116ドルまで上昇した後急落、S&P500も一時6,070ポイントまで上昇したものの6,014ポイントまで下落しました。ナスダック100も2万2,074ポイントから2万1,816ポイントまで下落し、行って来いの展開となりました。
この急落の背景には中東情勢の悪化が指摘されています。イラクの在イラク米大使館が地域的な安全保障上のリスクが高まっているとして避難命令の準備を進めており、イランが米軍基地攻撃の可能性を示唆したことが影響した可能性があります。
地政学的リスクの高まりを受けて、金価格がニューヨーク引け後に3,350ドル程度から一時3,373ドルまで急騰しました。WTI原油も67-68ドル台からギャップを開けて69ドル13セントまで上昇しており、地政学的リスクを反映した動きとなっています。
ドル円相場のテクニカル分析
ドル円は145.46円前後まで上昇後、CPI発表で急落し、145.18円前後まで戻したものの、144.70円が重いレジスタンスとなって再び下落しました。ニューヨーク時間にサポートしていた144.35-40円を下抜けており、次のポイントは144円ちょうどとなります。ここは重要なサポートレベルで、これを下抜けると143.30-40円、さらに下抜けると前回サポートした142円台中盤が目標となります。
上値については、144.70円を超えればショートカバーの可能性がありますが、144.60-70円がレジスタンスとなる見込みです。
今後の注目材料
本日は米PPI(生産者物価指数)の発表が予定されており、物価動向を判断する上で重要な指標となります。また、中東情勢の動向も直近の市場変動に影響を与えている可能性があるため、引き続き注意深く監視する必要があります。
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株式会社ADVANCE代表取締役 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行で、20年以上にわたり、為替ディーラーとして活躍。現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。ドル、ユーロなどメジャー通貨のみならず、アジア通貨をはじめとするエマージング通貨でのディーリングについても造詣が深い。また、海外のトレーダー、ファンド関係者との親交も深い。YouTubeなどで個人投資家に対して為替に関する情報を発信しており、人気を博している。
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