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ドル円は130円を目指す?『大口』は下落を狙い売り続けている状態では|ベッセント財務長官、21日のIMF会合で日本と為替協議か 2025/4/18(金)志摩力男 FX/為替 #外為ドキッ

 

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最新動画は【外為マーケットビュー】で公開しています。

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外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。

主要ポイント

①本日の市場状況と注意点
本日4月18日(金)は、欧米市場が「グッドフライデー(聖金曜日)」のため休場となる。東京市場は通常通り開場するが、ロンドン時間以降の取引はほぼ停止状態になるため、流動性低下による急変動に注意が必要。

さらに翌週月曜日もイギリス、フランス、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランドなどの市場が休場。米国市場は通常通りひらくが、同様にマーケットが薄くなり、予期せぬ値動きが発生しやすいため、引き続き注意を要する。

②米国市場とドル円の相場動向
先週の米国市場は「トリプル安(米国債の価格下落(金利上昇)・米株安・ドル安)」となった。特に米国債の金利急上昇が顕著で、この影響がトランプ政権の政策決定にも影響を及ぼした可能性が高い。

トランプ政権は日米間で検討されていた相互関税の適用を90日間延期する決定を下し、このニュースにより一時的にドルのショートカバー(買い戻し)が発生。しかし、全体の流れとしては徐々に円高方向の動きが強まりつつある。

③日米の要人会談と今後の為替見通し
赤沢経済再生相がトランプ大統領と直接会談したが、その中で為替に関する具体的な要望や議論はなかった模様。為替問題は、加藤財務大臣とベッセント米財務長官の間で別途協議される予定。

来週開催予定のIMF(国際通貨基金)総会のタイミングで、この財務当局間の会談が行われる見込み。そのため、来週以降も円高方向への圧力が継続する可能性が高い。

④現在の円高トレンドと目標水準
現在のドル円相場は円高傾向にあるものの、そのペースは徐々に鈍化している。しかし、中長期的にはゆるやかな下降チャネルを形成しながら、再び140円を試しに行く展開が想定される。

市場の最大の関心は経済指標ではなく、日米間の関税交渉と米国の政治情勢にあるため、通常の経済指標による相場への影響は限定的となる見込み。

⑤ECB(欧州中央銀行)理事会とユーロ相場への影響
昨日のECB理事会では市場予想通り0.25%の利下げが決定されたが、市場が既にこの利下げを織り込んでいたため、ユーロドルの動きはほとんどなかった。

ラガルド総裁も記者会見で「現状は不確実性が非常に大きいため、具体的な政策方針を明確に決定できる環境ではない」と慎重姿勢を示した。そのためユーロ相場は膠着状態が続いている。

⑥トランプ大統領によるFRB議長批判
トランプ大統領がパウエルFRB議長を強く批判。「FRBの利下げ対応は遅すぎる」「パウエル議長は混乱を招いている」との発言を繰り返している。

実際にウォール・ストリート・ジャーナルでは、トランプ氏がパウエル議長を解任する可能性について数カ月にわたり非公式に議論しているとの記事が掲載された。

しかし、解任に対しては財務長官のベッセント氏などが反対の意向を示している。その理由は、FRB議長解任のリスクが、わずかな利益よりもはるかに大きいためと説明されており、トランプ氏の考えを慎重に抑える役割を果たしていると思われる。

⑦来週以降の注目イベントとポイント
来週以降のマーケットカレンダーには、大きなイベントや相場に強い影響を及ぼす指標は少ない。ただ、加藤財務大臣とベッセント財務長官のIMFでの会談が重要ポイントになると予想されている。

また、足元ではスイスフランが堅調に推移しているが、ユーロ/スイスやドル/スイスが節目で硬い動きを見せているため、スイス中銀による為替介入の可能性も考慮されている。

⑧ドル円チャートからのテクニカル分析
ドル円の週足チャートで見ると、過去のアベノミクス相場からウクライナ戦争を経て形成されてきた価格帯が「ヘッドアンドショルダー(三尊天井)」型に見える。ネックラインとなる140円を割り込む場合、理論的には120円台後半〜130円台までの大幅な円高進行リスクが生じる。

実際にヘッジファンドやIMM(通貨先物)プレイヤーはドル売りポジションを継続的に抱えながら、長期的な円高シナリオを見据えている可能性がある。

【結論(まとめ)】
ドル円相場は短期的な反発がありつつも、中長期では円高方向の圧力が継続すると見られる。特に日米間の関税交渉、米国の政治的混乱(トランプ氏のFRB批判など)が最大の注目材料となっている。

市場参加者にとっては、経済指標よりもIMF総会での財務相会談や米政治情勢が重要。加えて、テクニカル的にも140円割れを意識したポジション調整が続く可能性が高いため、相場変動に対するリスク管理を徹底する必要がある。

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志摩力男氏96_130.jpg 志摩力男 氏
慶應義塾経済学部卒。1988年ー1995年ゴールドマン・サックス、2006-2008年ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任、その後香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立した後も、世界各地の有力トレーダーと交流があり、現在も現役トレーダーとして活躍。
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