ドル円、次の重要サポートラインは149円付近【マット今井 実践トレードのつぼ】
収録日:2025/2/20
元邦銀ディーラーの今井雅人氏が現状の世界経済を詳細に分析し、今後の為替相場動向まで踏み込み見通しを示します。
動画要約・まとめ
市場の現状:
- 現在、円高傾向が顕著に表れており、ユーロ円、ドル円ともに上値が重くなっている
- ドル円は150円台に突入し、さらなる円高の可能性が示唆されている
- 特に大きな出来事がない中での円高進行だが、構造的な要因がベースにある
円高を促進する主要因:
1. 日本の長期金利上昇
- 10年債が1.5%を超える可能性が出てきている
- 日銀が金融引き締めモードに移行し、従来の国債買い支え姿勢が変化
- 長期金利の上昇は円高要因として継続的に影響を与える可能性が高い
2. 春闘での積極的な賃上げ動向
- 大手企業を中心に5%を超える賃上げ提示が続出
- 一部では7-8%という高水準の賃上げも見られる
- インフレを前提とした賃金上昇が定着しつつある
- 賃金上昇は物価上昇と連動し、さらなる金利上昇を招く可能性
テクニカル分析:
- 日足チャートが下方向にブレイク
- 次の重要サポートラインは149円付近
- 週足チャートも下向きトレンドを形成
- チャート分析からも円高継続の可能性が示唆される
アメリカの経済状況:
- 小売売上高が市場予想を大きく下回る
- 年内の利下げ見送り観測が揺らぎ始めている
- トランプ大統領の関税政策による影響
- 輸入物価上昇によるインフレ圧力
- 消費者物価指数への影響懸念
- 金融政策の不確実性増大
今後の見通し:
1. 短期的な展望
- 円高方向への圧力が継続する可能性が高い
- ドル円149円までの下落も視野に入れる必要性
2. 注目ポイント
- 春闘での賃上げ実績とその波及効果
- 日本の長期金利動向
- 米国の金融政策と経済指標
総合的な結論:
当初の想定より円高傾向が強まる可能性が高く、投資戦略の見直しが必要な段階に来ている。特に日本国内の賃金動向と長期金利の上昇が、従来の予想以上に円高要因として働く可能性が高い。アメリカの状況は不確定要素が多いものの、日本のファンダメンタルズの変化により、円高基調が当面継続する可能性を考慮に入れた取引戦略が求められる。
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今井雅人 氏
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。
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