メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2025年2月14日15時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
豪ドル/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週の豪ドル/円は5カ月ぶり安値から切り返す
10日早朝に米国のトランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムの輸入に25%の関税を賦課すると発表したことで、2024年9月以来の安値となる94.21円前後まで下落しました。しかし、鉄鋼・アルミ関税は世界経済への影響が限られるとの見方から、市場心理が悪化するには至らなかったことから早々に反発。翌11日には、豪州が米国の関税対象から除外される可能性があるとの見方もあって一時96円台を回復しました。12日はトランプ大統領がロシアのプーチン大統領と電話会談を行い、ウクライナ戦争の停戦に向けた交渉開始に合意したことで97.33円前後まで上伸。ただ、13日には前日の大幅高の反動で96.00円付近まで反落するなど不安定な値動きとなりました。14日の東京市場では96.30~96.70円台でもみ合っています。
今週の豪ドル/円の注目ポイントはRBA
18日(火)に豪中銀(RBA)が政策金利を発表します。1月末に発表された豪10-12月期消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことでインフレ懸念が後退する中、RBAは2020年11月以来実に4年3カ月ぶりに利下げに踏み切ると見られています。市場は政策金利が4.35%から4.15%に引き下げられると見ており、豪金利先物も9割程度が25bp(0.25%ポイント)利下げを織り込んでいます。大方の予想通りの利下げであれば、焦点は今後の利下げペースになるでしょう。声明や総裁会見でその手掛かりが出るか注目です。なお、豪州のインフレは鈍化基調が続いていますが、失業率は低位で個人消費もまずまず堅調で景気が悪化しているようには見えません。株価指数(ASX200)は足元で史上最高値の更新が続いています。利下げの根拠はインフレ鈍化しかないとも言える中で、RBAが先行きの利下げについて前のめりな姿勢を示す可能性は低く、ある程度タカ派スタンスを維持しながらの利下げ開始になるのではないでしょうか。
今週の豪ドル/円の見通し
予想レンジ
94.250円~98.000円
基調
底堅い
今週の注目ポイント
☆2/18 RBA政策金利
・主要国株価、国際商品価格

神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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