「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
X(Twitter) : https://twitter.com/gaitamesk_ueha
最新のマーケット情報まとめ
ドル円相場の現状分析と今後の見通し(2025年2月10日時点)
1. テクニカル分析による現状把握
- ドル円相場は150円を割り込む可能性が高まっている
- 週足チャートでは26週線がサポートラインとして機能
- 重要な節目である151円90銭付近を週末に割り込む展開
- 152円付近には52週線が位置しており、上値の抵抗線として機能する可能性が高い
- 26週線を割り込んだ場合、148円台までの下落も視野に入る展開
2. 日米関係の進展
- 日米首脳会談の結果を市場は好感
- 対米投資額を1兆ドルにする合意
- アメリカの石油・天然ガスの輸出規模拡大
- 当初懸念されていた対日関税問題は一時的に落ち着く
- 日本株への悪影響も限定的との見方
3. 新たな貿易摩擦リスク
- トランプ関税に関する新たな展開
- 鉄鋼・アルミニウム輸入全般に対して25%の関税を発表予定
- 11日または12日に相互関税を発表、即時発効の可能性
- 米中貿易摩擦への懸念も再燃
- 中国が対米報復関税を発動
- 株価への影響を通じたリスク回避の円高も想定される
4. 今週の重要イベント
- アメリカの経済指標に注目
- 消費者物価指数(CPI)の発表
- 生産者物価指数(PPI)の動向
- 小売売上高のデータ
- これらの指標次第でドル円相場が大きく変動する可能性
5. 当面の値動き予想
- レンジ相場となる可能性が高い
- 上値は200日移動平均線(152円70銭付近)
- 下値は148円台を視野
- インフレ懸念によるドル高要因と
- リスク回避による円高要因が混在
- 方向感の出にくい展開が予想される
6. トレードアイディア
- 短期的な値動きを重視した取引戦略の採用
- 152円付近での攻防に特に注目
- リスク管理の徹底
- トランプ関税関連のニュースへの継続的な注目
- 米中貿易摩擦の動向にも要注意
7. 中長期的な注目ポイント
- 日米の貿易関係の進展
- アメリカのインフレ動向
- 世界的な株式市場の動き
- 地政学的リスクの影響
このように、現在のドル円相場は複数の要因が絡み合う中で、短期的には方向感の出にくい展開が予想されます。トレーダーは各種経済指標の発表とともに、特にトランプ関税に関連するニュースに注目する必要があります。
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『最新のドル/円相場を解説』
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宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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