執筆日時:2025年2月10日 12時00分
執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人
※チャート:ドル/円-5分足 外為どっとコム「ネオチャート」
米利下げペース少し鈍化、失業率は4.0%へ改善
2月7日に発表された、米国の1月非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想の17.0万人増を下回る14.3万人増に留まりました。また、12月分が「25.6万人増から30.7万人増」へ、11月分も「21.2万人増から26.1万人増」へ各々、上方修正されて、直近3カ月で均せば「23.7万人増」と好調な結果でした。分野別では、小売業や教育・ヘルスケアが好調だった一方、派遣サービスや自動車部品が足を引っ張りました。その他、失業率は年初の人口統計の推計修正したため前月と単純比較はできませんが、4.0%へ低下。時間給も前月比で0.5%と伸びが加速するなど、労働市場の健全性が示唆されたとの指摘が多く聞かれました。OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場における今年のFRBの利下げ回数見通しは、5日時点では1.8回程度でしたが1.4回程度まで低下しています。
指標発表直後は、NFPの下振れに反応して151.304円まで低下したものの、失業率の低下などが見直され152.402円まで急反発しました。ただ、その後は日米首脳会談のほか、トランプ関税などが意識されて、150.924円まで低下しました。株式市場はディスインフレのペースが鈍りつつあるとの思いで金利が上昇した反動から、さえない展開に。ダウ平均は444.23ドル安い44303.40ドル、ナスダック総合株価指数は268.59ポイント安い19523.40ポイントで取引を終えました。
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