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外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。
市場予想動画の要約・まとめ
「円高進行の一日 - 賃金統計と米経済指標が引き金に」
昨日の為替市場では、ドル円相場が154円台中盤から152円台前半まで大きく下落する展開となりました。この動きを時系列で詳しく見ていきましょう。
■ アジア時間:円高の口火を切った賃金統計
朝方、日本の毎月勤労統計で12月の実質賃金が0.5%から0.6%に上昇、現金給与総額も3.9%から4.8%へと予想以上の伸びを示しました。これは消費者物価指数を上回る伸びで、実質的な給与増加を示すものでした。この統計を受けて、日銀の追加利上げ観測が強まり、日本の10年債利回りは1.3%近くまで上昇。これが円買いの誘因となり、ドル円は154円台から153円台前半まで下落しました。
■ 欧州時間:ユーロ圏の景況感改善
欧州時間に入ると、ユーロ圏のPMIが改善を示し、特にドイツの総合PMIが48.0から50.5へと回復。この好調な経済指標を受けて、ユーロ高・ドル安の展開となりました。
■ 米国時間:ドル売りに拍車
米国では以下の要因が重なり、ドル売りが加速:
1. 貿易赤字が24%増加(789億ドル→984億ドル)
2. ISM非製造業景気指数が予想を下回る(54.0→52.8)
3. 米10年債利回りが4.5%を割り込む(4.51%→4.42%)
さらに、米財務省が国債発行規模を当面維持するとの方針を示したことで、長期金利の低下圧力となりました。
■ 今後の展望
目先は152円のサポートラインが焦点となり、ここを割り込むと151円台前半まで下落する可能性があります。一方、戻りを試す場合は153.6-7円あたりが当面の抵抗線となりそうです。明日の米雇用統計が次の重要な転換点となる可能性が高く、市場参加者の注目が集まっています。
【結論】
単なる円高だけでなく、ドル安要因も重なった珍しい展開となった一日でした。日本の賃金上昇と米国の経済指標悪化という、対照的な材料が重なったことで、急激な円高・ドル安が進行しました。当面は152円を挟んだ神経質な展開が予想されます。
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株式会社ADVANCE代表取締役 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行で、20年以上にわたり、為替ディーラーとして活躍。現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。ドル、ユーロなどメジャー通貨のみならず、アジア通貨をはじめとするエマージング通貨でのディーリングについても造詣が深い。また、海外のトレーダー、ファンド関係者との親交も深い。YouTubeなどで個人投資家に対して為替に関する情報を発信しており、人気を博している。
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