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1月10日の米国雇用統計の予想と戦略「NFPは表面上強めも内容は冴えず、ドル円上値重いか?」2025年1月号-By 外為どっとコム総研 #外為ドキッ

【FX】今夜は米雇用統計!ドル/円FX売買戦略とS&P500予想(2025年1月10日(金) 12:00~13:00)

雇用統計・ライブ実践リアルトレード(2025年1月10日(金) 21:00~23:00)

 

執筆日時:2025年1月9日 10時50分 

執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人

NFPは表面上強めも内容は冴えず、ドル円上値重いか?

はじめに-利下げを急がないペースで減速

2025年1月10日(金)、日本時間22時30分に米国で24年12月分の雇用統計が発表されます。米国の利下げの道筋を巡っては、12月FOMC(米連邦公開市場委員会)で今年の利下げ回数見通しが4回から2回へ減少し、インフレ目標達成時期が事実上、先送りされています。これは、これまで雇用の最大化を見据えた一連の緩和から一歩引いて、物価安定と雇用最大化のバランスをより重視していくとのシグナルと受け止められます。こうした当局の見方を正当化するデータとなるか着目されます。では振り返りからです。

前回のおさらい-悪影響は一時的

・NFPはリバウンド
・失業率は悪化

24年12月6日に発表された、米国の11月非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想の20.0万人増を小幅に上回る22.7万人増(10月分は1.2万人増から3.6万人増へ上方修正)となりました。また、失業率は10月から0.1%ポイント悪化し4.2%となったほか、時間給は前月比と変わらず0.4%の伸びとなりました。分野別では、ヘルスケア、人材派遣、製造業などが好調でした。

NFPは3カ月平均で17.3万人増と雇用の底堅さが見られた一方、失業者数が今年7月以来の高水準へ上昇するなど、労働需給の緩和が示されました。また、賃金の高止まりも示されるなど、内容は強弱まちまちでした。

図表1.分野別新規雇用者数(千人)出所:データ米国労働省
NFP表

指標発表後、為替市場は米ドル売りへ傾斜し、150.50円付近だった米ドル/円は149円台半ばへ低下。さらに「ベラルーシにオレシュニクシステム(新たな中距離弾道ミサイルシステム)を配備することは可能」とのプーチン露大統領の発言も加わり、米ドル/円は149.361円まで下げ幅を広げました。ただ、売り一巡後は12月米ミシガン大学消費者態度指数・速報値が予想より強かったこともあって、米ドル/円は150.13円付近まで戻しました。こうした中、株式市場は方向性が定まらない格好となり、ダウ平均は前日比123.19ドル安い44642.52ドルとなったほか、ナスダック総合株価指数は159.05ポイント高い19859.77ポイントで越週となりました。

図表2.前回発表前後のドル円の動き
USDJPY30分足チャート
米ドル/円 30分足
出所:外為どっとコム「ネオチャート

今回の見どころ-NFPより失業率・時間給に反応か

・NFPは過大評価との声も
・失業率、減速トレンドへ回帰?
・時間給、高止まりならFRB緩和の更なる後ずれも

雇用統計の調査期間中の新規失業保険申請件数は21万件~22万件で前月の同じ時期と同レベルで、雇用拡大ペースが急速に鈍化している様子は見られていません。また、足もとのIndeed job Postings indexも低水準ながら、持ち直し基調もうかがえていますので、12月のNFPもコロナ禍前の2016~2019年の平均値である15万人を上回る数字は見込めそうです。また、事業所調査から導かれるNFPは過大評価される傾向が昨年は窺えたため、12月分のNFPも名目上、数字が大きくなりやすいのではないかと考えます。

図表3.新規失業保険申請件数とIndeed job Posting indexの推移

新規失業保険申請件数とIndeed job Posting indexの推移

出所:米労働省とIndeedのデータを基に外為どっとコム総研作成
※新規失業保険申請件数は、雇用統計の集計期間のデータ

もっとも、家計調査から求められる失業率は8・9月に改善したものの、その後はリバウンドして昨年の労働需給の緩みを示すトレンドへ回帰しつつある様子も見られます。企業の採用率も低水準が続くなか、失業期間も伸びており、労働市場が緩やかに冷やされている点は変わりがありません。内容面は徐々に悪化しており、過度に楽観的な見方も禁物と考えます。

図表4.失業率・採用率・平均失業期間の推移

失業率の推移

出所:米労働省のデータを基に外為どっとコム総研作成

また、最初に述べたように、米金融当局の見方が「雇用最大化」から「物価安定と雇用最大化」の両睨みへ移行したため、今回は時間給も着目されそうです。時間当たりの賃金は年末セールなどの一時的雇用など、時間給の低い労働者の採用割合が増えたと見られ、インフレ懸念を高める結果にはつながりづらそうですが、今後も伸びが高止まりするようなら、米国の利下げペースがさらに遅れる可能性もあり、賃金の動向にも注意が必要でしょう。個人的には、FRBが利下げを急がないペースで労働市場の減速が示されるのではないかとの思いから、米ドル/円が上向きに反応するものの、内容面の弱さが次第に意識されて、上値も限定されるのではないかと、考えています。

図表5.時間給の推移

時間給の推移

出所:米労働省のデータを基に外為どっとコム総研作成

図表6.ドル円チャート

USDJPY8時間足チャート
米ドル/円 8時間足
出所:外為どっとコム「ネオチャート

付随データ

図表7.[雇用統計の実績と予想]

年月 非農業雇用者数変化(万人) 失業率(%)
予想値 初回結果 予想値 初回結果
2024年12 16.0 - 4.2 -
2024年11月 20.0 22.7 4.2 4.2
2024年10月 10.8 1.2 4.1 4.1
2024年09月 14.0 25.4 4.2 4.1
2024年08月 16.0 14.2 4.2 4.2
2024年07月 17.5 11.4 4.1 4.3

 

年月 平均時給/前月比(%) 労働参加率(%)
予想値 初回結果 初回結果
2024年12月 0.3 - -
2024年11月 0.3 0.4 62.5
2024年10月 0.3 0.4 62.6
2024年09月 0.3 0.4 62.7
2024年08月 0.3 0.4 62.7
2024年07月 0.3 0.2 62.7

 

◇関連の経済データ実績

年月 ISM製造業雇用指数 ISM非製造業雇用指数
2024年12 45.3 51.4
2024年11 48.1 51.5
2024年10月 44.4 53.0
2024年09月 43.9 48.1
2024年08月 46.0 50.2
2024年07月 43.4 51.1

出所:Bloomberg、外為どっとコム「経済指標カレンダー

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