このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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シェインバウム新政権が1日に発足
10月1日、メキシコ新大統領にシェインバウム前メキシコシティ市長が就任する。大統領選挙が行われた6月以来、メキシコでは株安・ペソ安が進行。大統領選と同時に行われた議会選でもシェインバウム氏が属する与党連合が大勝したことで、財政悪化や憲法改正を巡る懸念が市場に広がった。メキシコの代表的な株価指数ボルサは選挙後に最大で約8%下落、ペソは対ドルで一時約15%下落した。
ロペスオブラドール現大統領の推し進める憲法改正案(司法制度改革案を含む)が議会を通過した9月11日以降、メキシコ株とペソは持ち直しの動きを見せている。悪材料はひとまず出尽くしたとの見方もあるが、好調だった同国の経済に減速の兆候が見られることもあって、今のところ市場にはシェインバウム新政権の船出を歓迎するムードはほとんどないようだ。なお、メキシコ中銀は8月下旬に公表した四半期報告で今年と来年の成長率見通しを従来予測から引き下げた。中銀は、憲法改正などを巡り「不確実性が継続する」ことを下方修正の理由の一端とした。
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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