シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットロングに転じる】
8月13日時点で円のポジションは、ドルに対して約2.3万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが大幅に積み増された一方、ショートが取り崩されたことで、2021年3月以来3年5カ月ぶりにネットロングに転じた。
期間中のドル/円相場は、144円台前半から一時148円台に乗せるなど、前週の急落から反発した。内田日銀副総裁が追加利上げについて慎重な姿勢を示したことで円が売られた一方、米新規失業保険申請件数が前週から減少したことでドルが買い戻された。
それにもかかわらず円のネットポジションがロングに転じたのは、投機筋が円キャリー取引の終了を見越して中長期的な円高予想に傾きつつあることを示していると考えられる。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング減少】
8月13日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約2.7万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが小幅に取り崩され、ショートがいくぶん積み増されたことで、ネットロングは前週から約0.7万枚減少した。
期間中のユーロ/ドルは、米国のインフレの伸びが鈍化していることを示唆する指標結果などにより1.10ドル手前まで上昇した。
一方でドイツの景気見通しが悪化するなど、ユーロ圏の景気先行きには不透明感が漂う。投機筋のユーロの先行きに対する見方が再び割れ始めたようだ。
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IMMポジション
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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