オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
豪ドル(AUD)トレードに関わる現在までの相場トピック
・NY原油先物市場は反落。イスラエルとパレスチナのガザ地区を実効支配する武装組織ハマスとの停戦協議が進展するとの期待が売り材料となった。終値は前営業日比-0.72ドルの1バレル=83.16ドル(7月5日)。
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・7月3日に発表された豪5月小売売上高は前月比+0.6%と市場予想(+0.3%)を上回った。この結果を受けてRBAが8月にも利上げをするとの期待が高まっている。
・6月26日に発表された豪5月消費者物価指数(CPI)は前年比+4.0%となり、前月(+3.6%)から上昇した。4月24日に発表された豪1‐3月期CPIは前年比+3.6%となり、前四半期(+4.1%)から鈍化したが市場予想(+3.5%)を上回った。
・6月18日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利は4.35%で据え置きとなったが、ブロック総裁は「利上げの論拠も議論した」と述べた。
・6月13日発表の豪5月雇用統計は、雇用者数が3.97万人の増加と市場予想(3.00万人増)を上回った。また失業率は4.0%へ改善(前回:4.1%)、労働参加率は66.8%だった。
今日の豪ドル(AUD)トレード メインシナリオ
フランスの政治混乱が豪ドル売りの材料となる?
豪ドル/円は33年ぶりとなる高値水準での推移が続いている。チャートを見ると金曜日は長い下ヒゲ陽線となっており、買い意欲の強さを示している。過去3営業日連続で108.50円台で上値を抑えられているが、これを上抜けることが出来れば1991年5月以来となる109円台乗せも見えてきそうだ。
ただし、本日はフランス政局が豪ドル/円の重しになることも考えられる。週末に行われたフランス下院議会選挙の第2回投開票で、左派連合が最大議席数を獲得する見込みとなった。第1回投開票で優勢だった極右政党である国民連合(RN)が議会で過半数を獲得しないように左派連合と与党連合が協力して候補者を絞った。その結果、過半数を超える議席を獲得した政党はなかったが、左派連合が最大議席数を獲得する見込みとなった。これは市場が予想していなかったことだ。フランス議会が過半数の議席を持つ政党がいない「ハング・パーラメント」状態となったことで、政局不透明感から欧州を中心に株価が下落するようであれば、リスクセンチメントに敏感な豪ドルに売り圧力がかかる可能性がある。
想定される個別シナリオ
■フランスの政局不透明感から欧州株が下落する
⇒リスクオフの動きとなる
⇒豪ドルはリスクセンチメントに敏感
⇒豪ドルは売られる
豪ドル/円 最新チャート分析
今後の注目経済指標・イベント
日欧米株価動向
「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は曇り空に太陽が覗き、豪ドル/米ドルは雨。7時に豪ドル/円と豪ドル/米ドルRSIでそれぞれシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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