個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。
作成日時:2024年7月3日12時
執筆:CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー
日本の長期金利がまた高値をトライ中
出所:TradingView
10年債利回りは2013年以降ぶりの金利水準となっており、今年に入ってから毎月平均で0.10%長期金利が上昇しています。
このペースを維持するならば1.20%に今月到達でしょうか?
また今月の日銀金融政策決定会合ですが、国債買い入れ額の減額が議論されます。事前予想では既に減額が報道されており、減額されるということはやはり国債の買い支えがなくなるので価格は下落しやすくなるでしょう。
この減額を実行しなければ、通貨安です。
いずれにしても八方塞がりとなっており、日本円の断続的な下落は止まりそうにありません。
日米金利差も手伝って、外国に資本が向かうばかりです。トランプ大統領誕生=財政出動ですから、米国のインフレはまた巻き返すでしょう。こうなると、金利差は拡大します。
それらを織り込みに行っているような値動きに感じるのは筆者だけでしょうか?
ドル/円の本格上昇再開
出所:TradingView
ドル/円日足チャート分析です。
157円前後からロングし続けているのですが、押し目が全くありません。
今年上半期では上昇トレンドを一度も割り込むことをせずに推移しており、本当に日本円が弱い状況が続いています。
160円を超えてから1990年以来の高値である160.15-25円を突破し、高値圏での推移が数日続いております。
定着感もついてきていることもあり、さらなる上値更新がありそうです。
先月は米国の経済指標悪化のタイミングが全てのドル/円の押し目買いチャンスだったため、今月はそれを狙っているトレーダーも多いでしょう。
事実、月曜日のISM製造業景況指数は悪化しましたが、瞬間売られて、即反発しました。
その押し目が161円手前までです。あっという間に切り返して高値水準まで押し戻されました。今夜はISM非製造業景況指数です。
全てのイベントでドル/円は上昇のきっかけを作り続けているように思えます。
雇用統計もありますが、常に買い下がりで勝負していくと良いかもしれません。
明らかに日本の財務状況悪化に目が向かっているような気がします。これが通貨安の原因です。債券安、通貨安はまだしばらく続くと考えます。
豪ドル/円もリーマンショック前高値超え
出所:TradingView
豪ドル/円の四半期足です。
リーマンショック前の高値であった107.87円に到達しました。
ここを抜けると、1990年につけた高値である124円台に向けて上昇する可能性がありそうです。
オーストラリアは利上げ方向に向かっており、主要先進国通貨の中で最もタカ派です。 資本が向かいやすい状況でしょう。
インフレ経済が再度加熱すれば、資源を多く持つオーストラリアは強そうです。トランプ大統領誕生がそれを加速させるようにも感じます。
コロナショック以降、地政学リスク的にもオセアニアエリアは距離があるので資金も集まりやすいでしょう。
目先110円を意識した買い戦略が機能するようにも感じます。
今週はドル/円、クロス円、高値中の高値であるため、テクニカル分析をしようがありません(笑)
ファンダメンタルズ中心の記事になってしまったことをご容赦ください。
1時間足未満で勝負するならば、単純なサポートラインからひたすら押し目買いで良いのではないかと考えております。
ドル/円もですが、7月は豪ドル/円の買いトレードにももう少し目を向けてみようと思います。 ご参考まで。
【ひろぴー氏出演動画】

FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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