FX週間予測:メキシコ大統領選の余波と各国中銀会合の行方 - ドル・ユーロ・メキシコペソ・円の分析【マット今井 実践トレードのつぼ】
収録日:2024/6/6
元邦銀ディーラーの今井雅人氏が現状の世界経済を詳細に分析し、今後の為替相場動向まで踏み込み見通しを示します。
時間がない方向け「ポイント要約」
目次
0:00 今回のダイジェスト
0:29 【メキシコペソ円】メキシコ大統領選での予想外の市場反応
1:37 【各国中央銀行の会合】ECB利下げは織り込み済み
2:20 【FOMC】9月利下げの可能性
2:58 【日銀会合】早期利上げ観測
3:49 【まとめ】
4:04 【PR】口座開設特別キャンペーン
動画要約・まとめ
【メキシコペソ円】メキシコ大統領選での予想外の市場反応
先週、メキシコで大統領選挙が行われ、これまでの政権の政策を継承すると掲げた候補が勝利しました。しかし、これを受けて財政悪化への懸念から、メキシコペソと株式市場が急落しました。ただ、これまでの政権下で株式市場は安定し、通貨も強くなっていたため、政策継承を掲げる候補の勝利が急落につながるというのは理屈に合いません。したがって、これはポジション調整に利用されたのだと考えられます。
実際、メキシコペソ円は一時8.5円まで急落しましたが、現在は徐々に回復しつつあります。これは市場が正常化に向かっていることを示唆しています。
【各国中央銀行の会合】ECB利下げは織り込み済み
今週は複数の中央銀行の会合が予定されています。
まず本日開催のECBの会合では、0.25%の利下げが行われるとの見方が優勢です。ただ、これは既に市場に織り込み済みであるため、注目はECB総裁が追加利下げについてどのような見解を示すかという点に集まるでしょう。
【FOMC】9月利下げの可能性
来週は、FOMCと日銀の政策会合が控えています。
FOMCでは、9月の会合で利下げが行われるとの見方が強まっていますが、私は9月の利下げ可能性は低いと考えています。もし利下げを否定する発言があれば、ドル買いが進む可能性があります。
【日銀会合】早期利上げ観測
一方、日銀の会合では政策変更はないとみられていますが、先日の岸田総理と黒田総裁の会談を受けて、早期の利上げ観測が一部にあります。ただ、私は為替相場を理由に政策を前倒しすることはないと考えており、そうした発言がなければ、円高リスクは限定的でしょう。
【まとめ】
このように、今週は中央銀行の会合を中心に、市場の反応を見極めながら対応していくことが求められます。つまり、各イベントでの発言内容を注視し、それに応じて臨機応変に行動していくことが重要な1週間になるでしょう。
今井雅人 氏
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。
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