個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。
作成日時:2024年5月29日14時
執筆:CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー
ドル/円は157円台にしっかりと乗せてきました。
日本の長期金利は上昇しており、利上げ期待が高まる一方ですが、それでも円高になります。
今月は本当に今まで経験したことのないような値動きが続いています。
本日、長期金利は1.08%をタッチする局面がありましたが、不気味な上昇にも感じます。
日本国債10年債利回りは上昇
出所:TradingView
今月は0.25%程度の上昇でしょうか?急騰しているわけでもないのですが、それでも見慣れない金利水準なので、よく動いている印象が強いです。
現在、日銀が毎週自国債の買い入れ額を発表していますが、少しずつQTも始めているため、流動性がマーケットに足りないのでしょう。需給が合いませんので、このままゆっくりと一定水準にまで上昇することが考えられます。
1.10%程度が目安でしょうか?
ドル/円、160円を目指して緩やかな上昇か?
出所:TradingView
ドル/円4時間足チャートです。
フィボナッチ・エクステンションを引いております。
今月米CPI発表後に大きな下落を発生させましたが、全戻しとなってしまいました。米利下げ期待を全て飲み込んで上昇してしまう理由は明らかに円の弱さが問題です。ドルの利下げ期待は変わらず高まっているのですが、ドルストレートベースで、円だけが弱い状況が続いています。これは別の大きな要因があるのではないでしょうか。
これほどの長期金利の上昇にも関わらず円高にもならないことから、すでにキャピタルフライトが始まっている可能性があります。
また新NISAの外国株買いも6月上旬に出てくるでしょうからドル/円の上昇要因でしょう。 再び160円に追い込みにかかると予想します。
フィボナッチ・エクステンション的には目先157.60円、158.70円を意識して緩やかに上昇していくイメージで考えています。
金曜日の米PCEが再度高い結果となれば、158円台乗せでしょうか?
ユーロ/円は介入前高値更新か?
出所:TradingView
続いてユーロ/円4時間足分析です。 こちらも同じく不思議なリズムでの上昇です。
トレンドラインに這うように上昇しており、テクニカル的な値動きというよりも円資本が断続的に逃げているようなイメージでしょうか?
まさにキャピタルフライトが国中で始まっているような感じです。
目先、171.60円まで残すところ1円となりました。
今週、ドイツ、フランス、欧州のCPI、HICPが発表されます。
前回よりも少しインフレ傾向の予想です。予想通りでも十分買い材料となるでしょう。
利下げは1回という印象をマーケットに持ち込む要因となれば、ユーロはさらなる上昇になると考えます。
このような値動きですから、個人的にはユーロ/円のロングポジションが最も落ち着いて持っていられます(笑)引き続きユーロ/円中心のロングトレードを継続したいと考えております。
ドル/円同様に、緩やかな上昇をイメージしております。
しばらくはテクニカル分析というよりも長期金利の影響など、ファンダメンタルズ分析寄りのほうが成果は出しやすいかもしれません。
最後に、前述しました10年国債ですが、1.20%付近まで上昇するとかなり危険水準になると考えております。日銀の持っている国債の含み損もそうですし、国内の金融機関も保有している国債の含み損も徐々に明るみに出てくるでしょう。
国債を守るために買い向かえば、QE拡大になりますので、円安になってしまいます。
ちょっとまずい展開でしょうか?個人的にはキャピタルフライトが加速すると本格的に考え始めました。ドル/円は165円方向でイメージしております。
【ひろぴー氏出演動画】
FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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