読む前にチェック!最新FX為替情報

読む前にチェック!
最新FX為替情報
CFD銘柄を追加!

スプレッド
始値比
  • H
  • L
FX/為替レート一覧 FX/為替チャート一覧 株価指数/商品CFDレート一覧 株価指数/商品CFDチャート一覧

ポンド/円・豪ドル/円の4月見通し「株価動向が円安持続の焦点に」

【外為総研 House View】

House View

執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼ポンド/円
・ポンド/円の基調と予想レンジ
・ポンド/円 3月の推移
・3月の各市場
・3月のポンド/円ポジション動向
・4月の英国注目イベント
・ポンド/円 4月の見通し

▼豪ドル/円
・豪ドル/円の基調と予想レンジ
・豪ドル/円 3月の推移
・3月の各市場
・3月の豪ドル/円ポジション動向
・4月の豪州・中国注目イベント
・豪ドル/円 4月の見通し

ポンド/円

ポンド/円の基調と予想レンジ

ポンド/円 3月の推移

3月のポンド/円相場は187.965~193.525円のレンジで推移し、月間の終値ベースで0.9約%上昇した(ポンド高・円安)。日銀のマイナス金利解除やイールドカーブ・コントロール(YCC)撤廃に絡んだ観測報道が相次いだことでポンド売り・円買いが優勢となったが、11日に一時188円台を割り込んで下値を確認するとその後は自律的に190円台を回復。

19日に日銀が実際にマイナス金利を解除し、YCCも撤廃すると192円台へと上昇した。事前の報道で日銀の決定が織り込み済みだったことや、日銀が「緩和的な金融状況を当面維持する」と表明したことで円売りが強まった。

20日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が年内3回の利下げ見通しを維持したことでドル売り・ポンド買いが入ったことから193.53円前後まで上伸。2015年8月以来の高値を付けた。

ただ、21日の英中銀(BOE)・金融政策委員会(MPC)や22日のベイリーBOE総裁の発言で6月利下げの思惑が浮上したためポンドが失速。本邦政府・日銀による円買い介入への警戒感も相まって、月末にかけて191円台の上値が重くなった。

始値 高値 安値 終値
189.270 193.525 187.965 191.033

出所:外為どっとコム

12日
英2月失業率は4.0%、同失業保険申請件数は1.68万件だった(前回4.0%、0.31万件)。国際労働機関(ILO)基準の英11-1月失業率は3.9%と予想および前回(3.8%)を上回った。英11-1月の週平均賃金(除賞与)は前年比+6.1%と市場予想(+6.2%)を下回った。

13日
英1月国内総生産(GDP)は前月比+0.2%と予想通りだった一方、英1月鉱工業生産は前月比-0.2%と市場予想(±0.0%)を下回った。また、英1月貿易収支は145.15億ポンドの赤字だった(予想150.00億ポンドの赤字)。

20日
英2月消費者物価指数(CPI)は前年比+3.4%と市場予想(+3.5%)を下回り前月(+4.0%)から鈍化。エネルギーや食品などを除いたコアCPIも前年比+4.5%と市場予想(+4.6%)以上に鈍化(前月+5.1%)した。これを受けてポンドが売られる場面もあったが、CPIの鈍化は想定内との見方から下落は一時的だった。

21日
英3月製造業PMI・速報値は49.9と市場予想(47.8)を上回った一方、同サービス業PMI・速報値は53.4と予想(53.8)を僅かに下回った。その後、BOEは大方の予想通りに政策金利を5.25%に据え置いた。同時に公表した議事録で、据え置きは8対1の決定であり反対の1人は25bp(0.25%ポイント)の利下げを主張したことが明らかになった。前回利上げを主張した2人が据え置き支持に回った形。その後、ベイリー総裁は「インフレ減速を示す心強い兆候がさらに出ている」「まだ金利を下げられる段階にはないが、状況は正しい方向に進んでいる」との認識を示した。

22日
英3月製造業PMI・速報値は49.9と市場予想(47.8)を上回った一方、同サービス業PMI・速報値は53.4と予想(53.8)を僅かに下回った。その後、英中銀(BOE)は大方の予想通りに政策金利を5.25%に据え置いた。同時に公表した議事録で、据え置きは8対1の決定であり反対の1人は25bp(0.25%ポイント)の利下げを主張したことが明らかになった。前回利上げを主張した2人が据え置き支持に回った形。その後、ベイリー総裁は「インフレ減速を示す心強い兆候がさらに出ている」「まだ金利を下げられる段階にはないが、状況は正しい方向に進んでいる」との認識を示した。

25日
BOEのマンMPC委員は「市場は(BOEの)利下げを織り込み過ぎている」「(BOEが)米国やユーロ圏よりも先に利下げすると考えるのは難しい」「市場がすでに緩和を行っているため、(BOEは)利下げをする必要がない」などと発言した。

3月の各市場

3月のポンド/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
  • ※ 外為どっとコムのFX口座「外貨ネクストネオ」でお取引をされているお客様のポジション保持情報の比率を表しています。
  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

4月の英国注目イベント

ポンド/円 4月の見通し

英中銀(BOE)は3月の金融政策委員会(MPC)において利下げの議論を開始したことが明らかで、ベイリー総裁は利下げについて今後の会合は「インプレー」の状態になると表現している。さすがに次回5月(8-9日)の利下げ開始はないと見るが、4月13日の12-2月週平均賃金や17日の3月消費者物価指数(CPI)の結果次第では6月に利下げが行われる可能性が高まりそうだ。現時点(4月2日時点)で、市場の5月利下げの織り込みは1割程度で6月は7割程度となっている。4月のポンド相場は、BOEの利下げへの距離感が焦点となりそうだ。折に触れて発せられるであろうMPC委員らのメッセージにも注目しておきたい。

翻って、日銀が3月にマイナス金利の解除に動いたことで、円相場においては金融政策が焦点から外れたと見る。市場の一部には早ければ7月にも追加利上げとのやや「前のめり」な声もあるが、現実味は薄い。4月25-26日の日銀金融政策決定会合では政策金利の据え置き(0~0.1%)を決定し、声明の「緩和的な金融状況が続く」との文言を維持する公算が大きいと見ており、円相場への影響は小さいだろう。むしろ、世界的な株高基調が続くか否かが円キャリートレードの継続性を占う意味で、ポンド/円相場の重要なポイントになりそうだ。
(予想レンジ:186.500~194.000円)

豪ドル/円

豪ドル/円の基調と予想レンジ

豪ドル/円 3月の推移

3月の豪ドル/円相場は96.899~100.165円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約1.1%上昇した(豪ドル高・円安)。日銀が18-19日の金融政策決定会合でマイナス金利を解除するとの観測報道が伝わったことで11日に97円台を割り込んだが、世界的な株高などを背景に豪ドルの下値は堅かった。

19日には豪中銀(RBA)が引き締めバイアスを弱めたことから豪ドルが下落する場面もあったが、ほぼ同時に日銀がマイナス金利を解除した上で当面は緩和的な金融環境を維持すると表明したことから円売りが強まると98円台後半へ上昇した。翌20日は米連邦公開市場委員会(FOMC)が年内3回の利下げ見通しを維持したことで米国株が大幅高となる中、99円台後半へと続伸。

21日に発表された豪2月雇用統計がきわめて強い結果となったことから、2014年12月以来の1豪ドル100円台に乗せた。ただ、ドル/円が152円の節目に接近したことで本邦政府・日銀による円買い介入への警戒感が高まったほか、欧米のイースター休暇を前に動意が鈍ったことから手仕舞いの豪ドル売り・円買いが入ったと見られ、月末にかけて98円台まで調整した。

始値 高値 安値 終値
97.431 100.165 96.899 98.509

出所:外為どっとコム

5日
中国2月財新サービス業PMIは52.5と市場予想(52.9)および前回(52.7)を下回った。なお、この日中国では全国人民代表大会(全人代)が開幕。2024年の経済成長目標を前年と同じ5%前後とし、財政赤字目標を対国内総生産(GDP)比で3%に設定した。これを受けて超大型の景気刺激策が講じられるとの期待が後退した。

6日
豪10-12月期GDPは前期比+0.2%と予想通りの小幅な成長となった。7-9月期の+0.3%から成長率は鈍化した。

7日
豪1月貿易収支は110.27億豪ドルの黒字となり、黒字額は市場予想(115.00億豪ドル)に届かなかった。輸出は前月比+1.6%だったが、石炭類の輸出が小幅に減少した。輸入は前月比+1.3%だった。

18日
中国2月鉱工業生産は前年比+7.0%と市場予想(+5.2%)を上回った一方、同小売売上高は前年比+5.5%と市場予想(+5.6%)を僅かに下回った。また、中国2月不動産投資は前年比-9.0%と市場予想(-8.0%)以上の落ち込みとなった。

19日
RBAは大方の予想通りに政策金利を4.35%に据え置いた。声明で今後の金融政策について「理事会はまだ何も決定しておらず何も排除していない」と表明。「金利のさらなる引き上げを排除することはできない」としていた従来の文言を削除したことで、市場はRBAが引き締めバイアスを弱めたと受け止めた。ブロック総裁はその後の会見で政策が中立にシフトしたかどうかについては明言を避けつつ、リスクは「絶妙に均衡している」と述べた。「われわれにできるのは慎重に行動することと、リスクがどちらかの方向に動くと判断した場合の行動に備えることだ」と述べた。

21日
豪2月雇用統計は、新規雇用者数が11.65万人増と市場予想(4.00万人増)を大きく上回った上に、失業率は3.7%と前月(4.1%)から大幅に低下(予想4.0%)。RBAの早期利下げ観測が急速に後退した。

27日
豪2月消費者物価指数(CPI)は前年比+3.4%と市場予想(+3.5%)に届かず、伸び率は3カ月連続で2021年11月以来の低水準にとどまった。

28日
豪2月小売売上高は前月比+0.3%と市場予想(+0.4%)をやや下回った。豪統計局の担当者は「テイラー・スウィフトのコンサートによる一時的な影響を考慮すると、基調的な伸びは0.1%に過ぎない。消費は11月から1月にかけて大幅に変動したが、その後は停滞している」との見解を示した。

3月の各市場

3月の豪ドル/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
  • ※ 外為どっとコムのFX口座「外貨ネクストネオ」でお取引をされているお客様のポジション保持情報の比率を表しています。
  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

4月の豪州・中国注目イベント

豪ドル/円 4月の見通し

豪中銀(RBA)がタカ派スタンスを弱めている。3月理事会の声明から「金利のさらなる引き上げを排除することはできない」との文言を削除した上に、4月2日に公表した同理事会の議事録には利上げを支持する議論への言及はなかった。一方で、「将来のキャッシュレート(政策金利)の変更を選択肢に入れることも排除することも困難」として、利下げには一定の距離を置く姿勢を示した。RBAは、現在の金利水準をしばらく維持して様子を見る「中立スタンス」に移行した模様だ。市場としては、RBAの金融政策をテーマにしづらくなったと言えるだろう。

他方、円相場においても日銀が3月にマイナス金利解除に踏み切ったことで金融政策に関する当面の材料は出尽くしたと見られる。ごく一部には7月にも追加利上げを行なうとの憶測もあるが、現時点で現実味は薄いと言わざるを得ない。豪ドルにも円にも金融政策に基づく動きが出にくいとすれば、豪ドル/円相場の焦点は、リスクオンの市場環境が続くかどうかという点になりそうだ。

日米欧など主要国の株高基調が続けば低金利の円を売って資源国・高金利通貨の豪ドルを買う動きが強まりやすい。このケースでは再び100円台を超える豪ドル高・円安に向かう可能性があるだろう。他方、米国の利下げ後ずれ観測が強まった場合などには、株安・豪ドル安(円高)の動きが鮮明になることも考えられる。先行き不安がくすぶる中国の経済動向も、市場のリスクオン・リスクオフのスイッチになり得ることから点検が必要だろう。16日に発表される中国1-3月期国内総生産(GDP)などの結果に注目したい。
(予想レンジ:96.500円~101.000円)

 
kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。