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ユーロ/円の4月見通し「6月利下げを巡り乱高下も」

【外為総研 House View】

House View

執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼ユーロ/円
・ユーロ/円の基調と予想レンジ
・ユーロ/円 3月の推移
・3月の各市場
・3月のユーロ/円ポジション動向
・4月のユーロ圏注目イベント
・ユーロ/円 4月の見通し

ユーロ/円

ユーロ/円の基調と予想レンジ

ユーロ/円 3月の推移

3月のユーロ/円相場は160.217~165.349円のレンジで推移し、月間の終値ベースで約0.8%上昇した(ユーロ高・円安)。欧州中銀(ECB)が6月の利下げ開始を示唆した7日、ユーロは対ドルで上昇したが対円では下落。日銀が18-19日の金融政策決定会合でマイナス金利を解除するとの観測報道が相次いだことでユーロ高よりも円高の動きが強かった。

9日には160.22円前後まで下落して約1カ月ぶりの安値を付けたが、円買いが一巡すると15日には162円台を回復するなど、ユーロ/円は円相場主導の展開が続いた。その後も、日銀が実際にマイナス金利を解除した19日には円買い材料が出尽くしたとの見方から円売りが強まる中で163円台を回復。翌20日も世界的な株高を背景に低金利の円を売る流れが続く中、2008年8月以来の高値となる165.35円前後まで上伸した。ただ、その後は日本政府・日銀による円買い介入への警戒感が広がったため上値が重くなった。

結果的に、3月のユーロ/円相場は円相場の上下に引きずられる格好となり、ユーロ主導の値動きはほとんど見られなかった。なお、3月のユーロ/ドル相場は、ほぼ寄り引き同値で方向感に乏しい相場展開であった。

始値 高値 安値 終値
162.007 165.349 160.217 163.309


出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

1日
ユーロ圏2月消費者物価指数(HICP)・速報値は前年比+2.6%と前月(+2.8%)から伸びが鈍化したが、市場予想(+2.5%)をやや上回った。エネルギーや食品などを除いたコアHICPも前年比+3.1%と、予想(+2.9%)ほど鈍化しなかった(前月+3.3%)。

7日
ECBは主要政策金利を予想通りに4.50%に据え置いた。声明では「インフレ率が一段と鈍化した」との認識を示しつつ「物価上昇圧力はなお高い」と警戒感を残した。その上で今後の政策運営は「データ次第」とあらためて表明した。合わせて公表した最新の物価見通しで、2024年のユーロ圏インフレ率を2.3%と見積もり、25年には目標の2.0%に達するとの予測を示した。前回の見通しからそれぞれ0.4%ポイント、0.1%ポイント下方修正した。ラガルド総裁は理事会後の記者会見で「今回の理事会では利下げについて議論しなかった」としながらも、「制約的なスタンスの縮小について討議し始めたところだ」「次回4月より6月の理事会でより多くのことが分かる」などと述べた。さらに「賃金の伸びが緩やかになり始めている兆しがある」と述べたこともあって市場はECBが6月にも利下げに着手するとの見方を強めた。

8日
「ECBの一部当局者、6月と7月の連続利下げ提案」とする観測報道が伝わった。関係筋によると、7日に開いたECBの理事会では利下げに関する議論はほとんどなかったが、数人は4月の利下げ開始を支持した模様。6月の利下げ開始を支持する多数派の一部は、早期利下げを支持する少数派を取り込むために6月に続き7月も追加利下げを行うことを提案したとのこと。

15日
フィンランド中銀のレーン総裁は、ECBが先週、利下げ時期について議論を開始したことを明らかにし「インフレ率の低下が続き、われわれの予想に沿って目標に向けて持続的に低下すれば、夏近くにはもう、ゆっくりと金融政策のブレーキペダルから足を緩め始めることができる」と述べた。

19日
日銀はマイナス金利解除とイールドカーブ・コントロール(YCC)の撤廃を決定。17年ぶりの利上げとなったが、相次ぐ観測報道で市場は織り込み済みだった。日銀が「当面、緩和的な金融環境が続く」と表明したことで追加利上げ期待が萎んだ。

20日
米連邦公開市場委員会(FOMC)が年内の利下げ予想を据え置いたことでドルが下落(ユーロ/ドルが上昇)したほか、米国株が大幅高となったことからユーロ/円も上昇。165.35円前後まで上伸して2008年8月以来、およそ16年ぶりの高値を付けた。

21日
独3月製造業PMI・速報値は41.6、同サービス業PMI・速報値は49.8。製造業は予想(43.0)を下回ったがサービス業は予想(48.8)を上回った。その後に発表されたユーロ圏3月製造業PMI・速報値は45.7、同サービス業PMI・速報値は51.1で、同じく製造業は予想(47.0)を下回ったが、サービス業は予想(50.5)を上回った。

22日
独3月IFO企業景況感指数は87.8と市場予想(86.0)を上回り、9カ月ぶりの水準に上昇した。IFO経済研究所は「ドイツ経済は地平線の向こうにかすかな光が見えてきた」との見解を示した。

3月の各市場

3月のユーロ/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
  • ※ 外為どっとコムのFX口座「外貨ネクストネオ」でお取引をされているお客様のポジション保持情報の比率を表しています。
  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

4月のユーロ圏注目イベント

ユーロ/円 4月の見通し

欧州中銀(ECB)は6月に利下げに着手するとの見方が強まっている。4月11日のECB理事会で6月利下げに向けた地ならしを行うとの観測も根強い。ユーロは目先、ECBの利下げ観測が重しとなり、弱含む展開が続きそうだ。ただ、ECBは5月に発表される1-3月期のユーロ圏賃金指数を重視する姿勢を強調しており、11日の理事会では利下げについての明確なシグナルを発しない可能性もある。6月利下げをほぼ完全に織り込んだ市場から見れば、いくぶんタカ派的に見えてしまう可能性も否定できないだろう。

4月のユーロ相場は、2カ月先の利下げを巡りECB理事会の前後で乱高下する場面が増えそうだ。もっとも、ECBの姿勢がどうあれ、市場の6月利下げ観測が大きく後退する公算は小さいだろう。ユーロも大幅に上昇することは考えにくい。そうなるとユーロ/円は、4月も円相場の動きがカギを握ることになりそうだ。円相場を見る上では、ドル/円が152円を上抜けて34年ぶりの水準へ円安が進むかどうかが焦点となる。仮に上抜ければ、政府・日銀による円買い介入への警戒感が一層高まると見られる。もっとも、逆に言えば「介入警戒感」くらいしか円安の流れを止める材料が見当たらないのも事実であろう。
(予想レンジ:159.500~166.500円)

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kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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