ドル/円、34年ぶりの高値151.97円を更新…財務相・金融庁・日銀による三者会合開催へ
東京市場のドル/円は、1990年以来の高値を更新する展開。田村日銀審議委員の発言を受けて円安が強まると一時151.97円前後まで上昇しました。その後は日本政府による円安けん制が入るも151円台後半で底堅く推移しています。
<田村日銀審議委員>
・現時点の経済・物価見通し前提にすると、当面緩和的な金融環境継続する
・経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策運営していく
・短期金利、「ほとんど金利がない世界」であることに変わりはない
・異次元とも評される金融緩和脱し、金融政策の正常化へ第一歩踏み出した
(一部内容)
<鈴木財務大臣>
・鈴木財務相:行き過ぎた動きにはあらゆる手段排除せず、断固たる措置を取る
<植田日銀総裁>
・現時点の経済・物価見通し前提にすると当面、緩和的な金融環境続く
・先行きの金融政策はそのときの経済・物価・金融情勢次第
・ETFの処分をすぐ行うことは考えていない
(一部内容)
<神田財務官>
・3者会合を開く予定ない
・為替について声明を出す予定ない
欧州市場で、18時15分から財務相・金融庁・日銀による情報交換会合が開催されると伝わると円買いで反応しました。一時151.33円前後まで下落しました。
足元のドル/円は、34年ぶりの152円台を視野に入れた値動きとなっています。日銀が緩和的な金融環境を継続すると認識されたことで円売りが強まっており、この後のNY勢の反応に注目が集まります。なお、本邦当局による円買い介入への警戒感も高まっており日本政府による円安けん制に注意が必要です。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、移動平均線が強気のパーフェクトオーダーとなっているほか、RSIが上向きで上昇基調が継続しています。そうした中で一時151.97円前後まで上昇し34年ぶりの高値を更新しました。しかし、151.90-152.00円が上値抵抗と意識されており伸び悩んでいます。高値を更新したとしても152円台へ上昇するまでは反落の可能性に注意が必要です。なお、上昇基調であるため底堅い推移の中で上値トライの値動きは続きそうです。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
3/27(水)
19:00 ユーロ圏3月消費者信頼感指数・確定値
19:00 ユーロ圏3月経済信頼感指数
21:00 メキシコ2月失業率
21:00 メキシコ2月貿易収支
23:30 EIA週間原油在庫統計
26:00 米7年債入札
----- 南ア中銀政策金利
3/28(木)
07:00 ウォラーFRB理事講演
08:50☆日銀金融政策決定会合における主な意見(3月18-19日分)
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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