シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼IMMポジション ドル/円
円ネットショート 6年振り高水準
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショート 6年ぶり高水準】
2月27日時点で円のポジションは、ドルに対して13.3万枚の売り越し(ネットショート)となり2017年11月以来の高水準を記録。
ロングが取り崩され、ショートが積み増されたことから、ネットショートは前週から約1.2万枚増加した。
期間中のドル/円相場は、一時150.84円前後まで上昇。日米の株価指数が史上最高値を更新したことを背景にした円売りが持ち込まれたほか、市場が予測する米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始時期が6月に後退したことによるドル買いも支えとなった。
そうした中、投機筋は円に対する見方をさらに弱気に傾けたようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング減少】
2月27日時点でユーロのポジションは、ドルに対して6.3万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが大きく取り崩された結果、ネットロングは前週から約0.5万枚減少。
期間中のユーロ/ドルは、世界的な株高を背景とした対円でのユーロ買いの影響から一時1.09ドルをうかがう水準まで上昇した。ただ、その後は1.08ドル台前半を中心に方向感のない動きとなった。
FRBの利下げが欧州中銀(ECB)よりも遅くなるとの見方から、投機筋は4週連続で増加していたユーロロングポジションの調整に動いたようだ。
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IMMポジション
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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