株式会社外為どっとコムの完全子会社である株式会社外為どっとコム総合研究所(以下、「外為どっとコム総研」、本社:東京都港区、代表取締役社長:竹内 淳)は、個人投資家の外為投資に役立つ外国為替情報の調査・研究を行なっており、FX投資家の実態を調査しましたので、お知らせします。
USD/JPY独り勝ち、取引量は全体の9割 未決済ポジション合計は約9兆円へ
一般社団法人金融先物取引業協会 FX投資家動向まとめ
取引金額・未決済ポジションとも増加
金融先物取引業協会が2月15日に公表した資料によると、2024年1月の店頭FXにおける取引金額は1267兆円と、23年12月から4.7%増加した。また、月末時点の未決済ポジション合計は約9兆円と昨年末比8.2%増加した。
個人投資家が好むUSD/JPY(米ドル/円)の取引額が、集計が開始された2008年以降で最大の1141兆円となったことが、取引金額の増加につながった。また、全体の取引金額の90%超がUSD/JPY(米ドル/円)の取引となっており、同通貨独り勝ちの状況となった。取引金額上位の5通貨ペアは、USD/JPY(米ドル/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)・AUD/JPY(豪ドル/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)の順で、前月と変わらなかった。
(出所)金融先物取引業協会の「店頭FX月次速報」をもとに、当社が作成。
左軸-取引金額、右軸-ポジション計
グラフ中のデータ単位は百万円
株式会社外為どっとコムFX投資家動向2024年1月
収益は大きく改善
FX口座数が57万件を超える株式会社外為どっとコム協力の下、2024年1月のFX投資家動向を調査した。
【調査概要】
調査対象:株式会社外為どっとコムのFXサービス「外貨ネクストネオ」利用者(約57万口座)
調査機関:株式会社外為どっとコム総合研究所
調査対象:調査期間中にFXサービス「外貨ネクストネオ」の新規口座開設およびFX取引をした顧客
調査期間:2024年1月2日7:00 ~ 2024年2月1日7:00
調査方法:対象期間中の取引データより抽出
(特定の個人を識別できないよう個人情報を匿名化した上で行っております。)
FX取引における実現損益
FX取引における実現損益でプラスは58.5%、マイナスは41.4%となった。プラスは前月比15.4%ポイントと大幅に改善した。能登半島地震の影響で、日銀の政策修正時期が遅れる可能性が意識されたほか、米国の早期利下げ期待も後退し、USD/JPY(米ドル/円)は昨年末比4.2%高となった。これを受けて、昨年末に高値圏で構築したUSD/JPY(米ドル/円)のロングポジションの状況が改善したほか、安値圏を絶好の買い場と捉えた個人投資家が押し目拾いを優先させるなど、収益機会に恵まれた。
通貨ペア別取引者数
通貨ペア別取引者数のトップ10は、USD/JPY(米ドル/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・AUD/JPY(豪ドル/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)・MXN/JPY(メキシコペソ/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)・TRY/JPY(トルコリラ/円)・ZAR/JPY (南アフリカランド/円)・NZD/JPY(NZドル/円)・GBP/USD(ポンド/米ドル)の順。
USD/JPY(米ドル/円)の1位は不動だが、AUD/JPY(豪ドル/円)が3位へ後退した一方、GBP/JPY(ポンド/円)が2位へ浮上した。AUD/JPY(豪ドル/円)は9年ぶりの高値圏を維持しているものの、心理的な節目である100円を突破できなかったことで、取引が盛り上がりを欠いた可能性がある。
平均取引数量
FX投資家の1注文あたりの平均取引数量は4.2万通貨(42Lot)と前月から横ばい。USD/JPY(米ドル/円)は、1Lotあたり6,000円の必要保証金(2/16時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は約25万2,000円となる。MXN/JPY(メキシコペソ/円)は、1Lotあたり400円の必要保証金(2/16時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は1万6,800円となる。
※現在の取引保証金額はコチラで参照いただけます。
口座の開設期間
取引をしたFX投資家の口座開設後の期間は、平均109カ月(9年1カ月)へ縮小した。直近2年の平均は102.9カ月(約8年7カ月)となる。
FX投資の年齢分布
FX投資家の年代別では40代が31.3%と最多で、次に50代、30代、60代と続いた。40代と50代が半数を占める状態は変わっていない。
FX口座開設者動向
新規にFX口座を開設した投資家は、30代が28.3%、40代が23.9%で、この2つの年代が半数を占めた。以下、20代が22.5%、50代が14.8%と続いた。また、1月は20代の口座開設者の割合が増加した。
まとめ
2024年1月の為替市場は、植田日銀総裁の「チャレンジング」発言による日銀の金融政策の早期修正期待、パウエルFRB議長の「利下げを議論した」との発言によるFRBの利下げ期待から強まった昨年末のUSD(米ドル)安・JPY(円)高の流れに巻き戻しが入り、USD/JPY(米ドル/円)中心に円安が進行した。USD/JPY(米ドル/円)は昨年末から4.2%も上昇した。USD/JPY(米ドル/円)の取引金額は、他通貨を含めた業界全体での取引金額が9割を占めるなど、USD/JPY(米ドル/円)への一極集中が進んだ。
個人投資家も安値圏でUSD/JPY(米ドル/円)を買い拾う動きを見せるなど、収益機会と捉え上手くこの流れを活かしたようだ。主要国中銀の金融政策の転換点をめぐり思惑が交錯し見通しへの不確実性が高まる中でも、日米の金融政策格差は他より判断しやすいとの思いが個人投資家にあったのだろう。
※過去の調査結果は、マネ育ch( https://www.gaitame.com/media/ )よりご参照ください。
「投資家調査」カテゴリー
https://www.gaitame.com/media/archive/category/FX%E6%8A%95%E8%B3%87%E5%AE%B6%E8%AA%BF%E6%9F%BB
当社の最大の役割は、お客様にとって信頼に足るパートナーとして貢献すべく、価値ある情報を提供することです。外国為替のプロフェショナルという自負のもと、個人投資家の皆様が外国為替取引を行う際の一助となれるよう、さまざまな活動に取り組んでまいります。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。