個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。
作成日時:2024年2月14日14時
執筆:CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー
昨年の6月に3.0%をつけたインフレ率ですが、そこから8カ月連続で横ばい状態が続いております。
出所:https://www.gaitame.com/markets/indicator.html
昨晩の米CPIの結果は事前予想+2.9%に対して、+3.1%、そしてCPIコアは事前予想+3.7%に対して、+3.9%という結果になりました。
利上げをやめた時期からちょうど、インフレ率が横ばいとなっている状況で、おそらく米国経済のバランス上、現状の政策金利が5.25-5.50bpというレンジの居心地が良いのかもしれません。
ここしばらく、雇用統計も好調に推移しており、やはり歴史は繰り返すのか、ラストワンマイル(3%→2%にインフレ率を下げることに苦労した表現であり、過去金融政策上の造語)は遠いのだと実感する内容となりました。
1978-1981年ごろ、ボルカーFRB議長(当時)が一度、政策金利を10から20%まで引き上げたことがありますが、それでも米国のインフレ率を完全に沈静化するまで数年を要した歴史があります。それに近づきかねない状況になってきたように思えます。
現状の政策金利維持を続けていれば、再びインフレ率が上昇に転じる可能性すら出てきたのではないでしょうか。
仮に年内、大統領選挙に向けて利下げしようものならば、長期的には実は大きなドル高につながるかもしれません。
ドル/円、ついにアセンディングトライアングルを抜けるのか?
出所:TradingView
ドル/円週足です。152円まで残すところ150pips程度となってきました。
三度目のトライになりますので、意外にも結構簡単に抜けていく可能性があり、問題は抜けてからが早いと思われます。
125円を超えた時、130円を超えた時、あっという間に上昇しました。
2年前の値動きをよく思い出してシミュレーションしておくと良いでしょう。
ここを突破しますと152円が今度はネックラインになりますので、これより手前でしっかりとポジションを作っておきたいところです。
ドル/円、150円からの押し目は好機か?
出所:TradingView
ドル/円30分足で浅い押し目買い水準を見ていきましょう。
目安的には50%押しの150円からの買いが有効そうに見えます。38.2%押しも150.25円とオプションがらみのレートになります。この二つの水準から買いやすそうです。
損切りは昨晩のCPIの安値で良いでしょう。
149.20円割れで撤退を意識し、損切りは80-100pips程度を前提に、120-150pipsを抜きに行くトレードが1つ、もう1つは152円超えを夢見てポジションを少し持つという2つの戦略で良いかと考えています。
ポンドも米国を追うのか?
出所:TradingView
もう1つ、ポンドにも注目し始めております。表示しているのはポンド円の4時間足です。
英国も雇用統計の結果がよく、賃金上昇率が大幅な伸びを示しました。
株式市場も好調なことから、英国のインフレ率もやはり下がりにくくなるのではないかと予想されます。
先日のBOEでは、利上げに票を投じた議員が2人いました。次回はこれが3人に増える可能性も出てきそうです。
それらを意識して今月はポンド高となっており、米国同様にやはり収まらないインフレ経済を英国も意識し始めているように感じます。
ポンド/円ですが、188.90円がちょうど23.6%押しとサポートラインが重なるクラスターポイントです。
ここを意識して今週後半は指値注文を置いていこうと思います。そして再度インフレ経済を意識し、インフレ率が収まりそうのない国の通貨を狙って買いトレードを続けていく方針に切り替えていきます。
今週後半はドル/円とポンド/円のロング戦略で組み立てみました。ご参考まで。
【ひろぴー氏出演動画】
FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。