このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性のある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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ペソは対ドルで軟調 トランプリスクをやや警戒
1月中旬以降、メキシコペソの対ドル相場が軟調だ。15日に米アイオワ州で行われた共和党党員集会の大統領選候補者選びでトランプ前大統領が圧勝したことを受けてドル高・ペソ安に振れており、17日には約1カ月ぶりのペソ安水準となる1ドル17.3860ペソ前後まで下落する場面もあった(ただ、円安の影響でペソの対円相場は底堅く推移)。
ペソ先物は8万枚超の買い越し 巻き戻しに注意
トランプ氏は2016年の米大統領選で当選した際、メキシコからの不法移民が米国民の職を奪っているとして国境に物理的な壁を建設して話題になった。トランプ氏は経済の高成長を志向することから、そうした米国の上げ潮政策が隣国のメキシコにとっても中長期的にプラスになるとの見方も少なくない。ただし、アメリカ・ファーストを掲げるトランプ氏がもし大統領に返り咲けば、再びメキシコへの風当たりを強める可能性を否定できない以上、ペソは一時的にせ下落する公算が大きい。1月16日時点で国際通貨先物(IMM)におけるペソ先物のポジションは差引(ネット)で8万枚超の買い越しとなっている。今後、こうしたペソ買いポジションの巻き戻しが起きれば、下落圧力になる可能性もあるため注意が必要だろう。なお、米大統領選を巡っては、本日23日にニューハンプシャー州で共和党の候補者選び第2戦となる予備選挙が行われる。3月5日のスーパー・チューズデーにかけてトランプ氏の選挙動向が注目を集めそうだ。
メキシコペソ/円 日足チャート
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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