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FX「リラの脆さ変わらず。政府・中銀は政策正当性を強調するが」トルコリラ見通し

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総括

FX「リラの脆さ変わらず。政府・中銀は政策正当性を強調するが」トルコリラ見通し

(通貨最下位、株価首位)

予想レンジ トルコリラ/円4.5-5.5

(ポイント)
*週間、月間、年間で最弱通貨
*今週の政策金利決定は2.5%引き上げか
*9月経常収支は黒字、インバウンド好調で
*政府は2026年にインフレが一桁となると主張
*トルコのソブリン債取引を推奨=ドイツ銀
*EU加盟へ厳しい報告書が出された
*米国で1月に投資家デーを開催
*消費者物価高止まり、生産者物価は大幅低下
*正統派経済政策はリラ上昇につながらない
*外交不安多い(仲介外交の失敗)
*トルコ、スウェーデンのNATO加盟批准会議を延期
*国民の預金が再び海外へ流出している
*中銀=インフレ見通しが改善するまで段階的な引き締めは強化

(再び下落し、週間、月間、年間でそれぞれ最弱通貨
 再び下落し、週間、月間、年間でそれぞれ最弱通貨となった。米10月CPI低下によるドル安の流れには乗ることが出来ず低迷が続く。少し良い材料が出てきたが、その持続性が焦点となる。高インフレが続く中10月生産者物価は低下した。良い兆しか?また9月の経常収支が18億8000万ドルの黒字となった。6月以来の黒字であり、過去2年間で2回目となる。好調な観光シーズンが主な要因で、50億ドル以上がサービス黒字に寄与し、総額62億5000万ドルとなった。この観光客の流入は、深刻なインフレ圧力に直面しているトルコ経済にとって恵みとなっている。
 9月の財の貿易赤字は36億6000万ドルで、8月よりは縮小したものの、輸入が輸出を上回るという苦戦が続いている。

(政府のインフレ低下発言は続くが効果はまだ出ていない。今週政策金利決定)
 ユルマズ副大統領、年間インフレ率は来年下半期から低下すると述べ、毎月のインフレ率の低下はすでに始まっていると指摘した。 「インフレ率はさらに低下し、2026年には一桁のインフレ率に達することが期待される」と述べた。
 「トルコ経済は過去 2年間で実質10%成長しましたが、インフレの問題を抱えています。もちろん、私たちはこれを問題だと考えています」。ユルマズ氏は、一定の経済成長の勢いを維持することを目指しながら、インフレを抑制しようとしていると付け加えた。

一方、シムシェク財務大臣は、政府はインフレと経常赤字の恒久的な減少に向けて必要なことは何でもし続けると述べた。「私たちは国際金融機関との関係をさらに強化しています。マクロ金融の安定を確保するために我々が導入したプログラムには強い支持がある」とシムシェク氏は述べた。年間インフレ率は9月の61.5%から10月には61.36%に鈍化した。
 政府は最新の中期計画で、年末のインフレ率が2023年の65%から来年には33%に低下すると予想した。
 政府は年間インフレ率が2024年には15.2%にさらに低下し、2026年には8.5%に低下すると予想している。

(今週は政策金利決定)
 中銀は今週会合を開き、主要政策金利である1週間物レポ入札金利を決定する。
ほとんどのエコノミストは、政策金利をさらに2.5%引き上げて37.5%にすると予想している。

(トルコのソブリン債取引を推奨=ドイツ銀)
ドイツ銀のストラテジスト、ビートスカ氏は、最近の急激な価格調整でトルコ国債市場に参入する条件はずっと改善し、一部短期債は既に妙味が出てきているが、全般的にはまだ割高感が残っていると指摘。当面は様子見を継続し、投資判断は「アンダーウエート」を維持すると述べた。
しかし同氏は、さらなる2.0-3.5%の調整を経た後、来年になるとトルコ債は新興国債券市場でも屈指の堅調な値動きを示すと予想した。

テクニカル分析(トルコリラ/円)

再びボリバン2σ下抜く

 日足、先週は一時ボリバン内に戻していたが、17日(金)に再び2σ下限を下抜き、20日も続落、3σ下限へ下落している。
 11月17日-20日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
 週足、2σ下限。7月17日週-11月13日週の上昇ラインがサポート。8月21日週-11月13日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線下向き。
月足、2σ下限近辺で推移。7月-8月の上昇ラインを下抜く。5月-6月の下降ラインが上値抵抗。
年足、8年連続陰線。その間52円から5円台へ沈む。今年は僅かに陽転していたが3月から陰転。



メルハバ

スウェーデンのNATO加盟法案の採決延期

 トルコ議会の外交委員会は16日、スウェーデンのNATO加盟批准に向けた法案について、一段の討議が必要として採決を延期した。
議会外交委員長は、「全議員がスウェーデンのNATO加盟を承認するには、十分に納得しなければならない。次回の委員会会合で討議を重ねる」とし、必要ならスウェーデン大使を招いて議員に対する説明を求めることもできると述べた。
今週にも討議が再開可能性があるとしながらも、具体的な日程は示さなかった。
スウェーデンの加盟批准に向けた法案は、外交委員会の承認を経て議会全体で採決にかけられ、可決されればエルドアン大統領が署名して成立する。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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