ポンドのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日のポンド トレードシナリオ
ここまでの相場
本日16:00英10月消費者物価指数発表!
・英9月消費者物価指数(CPI)は前年比+6.7%と市場予想(+6.6%)に反して、前月(+6.7%)から横ばい。また、CPIコアは前月(+6.2%)から低下し+6.1%だった(10月18日)。10月分の市場予想は総合が+4.7%、CPIコアが+5.8%となっている。
・11月14日に発表された英10月失業率は4.0%で前回(4.0%)から横ばい。10月週平均賃金(3カ月平均、前年比)は+7.9%と前月(+8.2%)から低下したものの、市場予想(+7.3%)ほど低下しなかった。
・11月10日に発表された英7-9月期GDP(速報値)は前期比±0.0%となり市場予想(-0.1%)を上回ったが、前期(+0.2%)から減速した。同時に発表された英9月月次国内総生産(GDP、前月比)は+0.2%だった。
・英10月製造業購買担当者景気指数(PMI)と10月サービス業PMIの確報値はそれぞれ44.8、49.5となり、速報値(45.2、49.2)から製造業は下方修正、サービス業は上方修正された。(11月1日、3日)
・11月2日の会合でイングランド中銀(BOE)は政策金利を5.25%で据え置いた。据え置きは2会合連続。金融政策委員会(MPC)メンバーの9人中6人が据え置きを支持、3名が0.25%利上げを支持した。
今日のメインシナリオ
16:00 英10月消費者物価指数(CPI)!予想ほど低下しない場合はポンド上昇に?
本日は英10月消費者物価指数(CPI)が発表される。10月はエネルギー価格の下落を主因に、英10月CPIは前年比+4.7%へと9月(+6.7%)から大幅に低下する市場予想になっている。一方で、総合からエネルギーや食品などを除外したCPIコアは+5.8%へと9月(+6.1%)からの低下幅は小幅になる予想だ。BOEは11月2日のMPCで金利を据え置いたが、声明では「インフレ圧力がさらに持続する証拠があれば一段の引き締めが必要になる」とし、「賃金上昇率やサービス価格インフレなどを注意深く監視する」と示した。昨日発表された英国の7-9月週平均賃金は前年比+7.9%と市場予想(+7.3%)ほど低下していなかった。賃金上昇率の高止まりはインフレ鈍化のスピードを遅らせる一因になり得る。11月2日のMPC後、市場はBOEの利上げ終了を強く織り込んでいる。昨日の7-9月週平均賃金同様に、英10月CPIが予想ほど低下を示さなかった場合は市場の行き過ぎた織り込みが剥落することになり、ポンドには強い買い圧力がかかる可能性がある。
個別の想定シナリオ
■英10月CPIが予想ほど低下していなかった
⇒英国のインフレ高止まり懸念が強まる
⇒BOEの早期利下げ観測が後退する
⇒ポンドは買われる
チャート分析
注目材料
英10月CPI
米10月小売売上高
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」ではポンド/円、ポンド/米ドルともに雨。10時にポンド/米ドルのストキャスティクスで売りシグナルが点灯。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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