ドル/円、150円を前に伸び悩む…根強い円買い介入への警戒
東京市場のドル/円は、150円手前で膠着。新規の手掛かり材料を欠く中、149.70-90円台の狭いレンジで推移しました。引き続き、150円台は日本政府・日銀の円買い介入が警戒される水準として意識されているようです。
15時30分頃から始まった全国信用組合大会で植田日銀総裁は、「粘り強く緩和継続し、賃金の上昇を伴う形で2％の物価目標を持続的・安定的に実現することを目指す」、「金融・為替の動向や日本の経済・物価への影響を十分注視する必要」などと述べました。そうしたことから円売りが入ると一時149.99円前後まで強含みました。
今夜のドル/円は欧米の株価や米債利回りおよび原油価格など他市場を睨んだ値動きとなりそうで、円買い介入への警戒感がくすぶる1ドル150円をしっかり超えて上昇するのは難しいでしょう。とはいえ、最近の膠着状態を見ると週末を控えた持ち高調整による下げも限定的と見られます。
テクニカル分析で、ドル/円を見ると10・20・80日移動平均線が上向きを維持しておりRSIについも50ライン上でやや上向きとなっていることから上昇基調は継続と見れます。150.00円前後を上値抵抗に伸び悩むも10・20線を支持に底堅い動きとなっていることから高値圏での推移が続きそうです。仮に150円を突破すれば、まずは年初来高値（150.16円前後）が意識されそうです。
ドル/円 日足チャート
この後の経済イベント
10/20（金）
21:30 カナダ8月小売売上高
22:00 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演
25:15 メスター米クリーブランド連銀総裁講演
27:00 米9月財政収支
----- 米・EU首脳会議
※☆は特に注目の材料
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員宇栄原 宗平（うえはら・しゅうへい）
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月（株）外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか！』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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