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【見通し】NY為替見通し=週末の戦火拡大リスクや週明けの介入警戒への綱引き相場か

本日のNY時間のドル円はリスク回避のドル買いの動きと、介入警戒感で値動きは限られるか。
 
 連日ドル円は150円手前まで強含むものの、10月3日に付けた150.16円の年初来高値を更新できずにいる。市場では依然として為替介入への警戒感が強く、仮に金曜NY時間の流動性の薄い中で年初来高値を更新した場合でも、週明けに介入が行われた場合の下押しが大きくなることを考えると、積極的に上値を仕掛けに行くのは躊躇されるだろう。
 もっとも、多くの投資家が中東情勢の緊張の高まりで、安全通貨としてスイスフランが大幅高になっているにもかかわらず、通常は買われることが多かった円も上昇すると期待していたにもかかわらず、円安地合いが続いていることで、ドル円の買い遅れもありそうだ。

 本日はメスター米クリーブランド連銀総裁が講演を行うが、すでに米連邦公開市場委員会(FOMC)後の講演で「金利はピーク、もしくは非常に近い」「さらなる金融引き締めはデータ次第」などと発言していることもあり、新たにサプライズとなるコメントを期待するのは難しいだろう。
 また、ワシントンDCでバイデン米大統領と、ミシェル欧州理事会常任議長(EU大統領)、フォンデアライエン欧州委員長が出席する米・欧州連合(EU)首脳会談が行われる。6月15日に行われたサミットに続いたもので、現時点では議題が「世界的なクリーンエネルギー経済・「安全で回復力のあるサプライチェーン」「デジタルインフラ」「人工知能」「経済的回復力」などとなっている。米欧の本来のトピックは中東・ウクライナ情勢となるはずだが、上述の議題程度であれば市場を動意づけるのは難しいだろう。また、仮に中東情勢ついて話し合いが持たれた場合でも、すでに欧米の首脳がイスラエルに訪問した後と言うこともあり、サプライズとなるような取り決めなども出にくく、為替相場への影響は軽微になると思われる。

 主だった米経済指標の発表も本日は予定されていないことで、本日NY入りから週末にかけては中東情勢を見極めることになる。市場ではイスラエル軍が地上侵攻を行った場合による、他国を巻き込み戦火が拡大することを警戒している。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目途は、10月3日につけた年初来高値150.16円が最初の抑え。その上は昨年10月21日高値151.95円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目途は、17日にNY参入後に付けた安値149.36円。その下は17日に日銀の物価見通し上方修正の報道が出た時に付けた同日安値148.84円。

(松井)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ