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大口投資家の動向は?「円ネットショート4週連続で増加」【最新IMMポジション】2023/10/10

シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読
み解きます。

執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼IMMポジション ドル/円
円ネットショート4週連続で増加

▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットロング7週連続減少

▼IMMポジション ポンド/ドル
ポンドネットショートに転じる

ドル/円

IMMポジション ドル/円

ポイント

【円ネットショート4週連続で増加】
10月3日時点で円のポジションは、ドルに対して11.4万枚の売り越し(ネットショート)。
ショートの積み増し度合いが大きかったことから、ネットショートは前週から約0.4万枚増加した。
期間中のドル/円相場は、日米金利差の拡大を背景に上昇基調が継続。3日には約1年振りとなる150円台まで上伸した。
その3日には、円買い介入と思われる動きがあり、一時147円台まで下落する場面も見られたが、米連邦準備制度理事会(FRB)と日銀の金融政策の方向性の違いから投機筋は円売りポジションを増加させたようだ。

ユーロ/ドル

IMMポジション ユーロ/ドル

ポイント

【ユーロネットロング7週連続減少】
10月3日時点でユーロのポジションは、ドルに対して7.9万枚の買い越し(ネットロング)。
ショートが積み増されたため、ネットロングは前週から約1.9万枚減少した。
期間中のユーロ/ドル相場は、ドイツやユーロ圏のインフレが予想以上に鈍化していたことなどから欧州中央銀行(ECB)による追加利上げ観測が後退し、約10カ月振りとなる1.044ドル台まで下落した。
ECBとFRBの金融政策の方向性の違いから、投機筋は引き続きユーロ買い・ドル売りポジションの削減を進めているようだ。

ポンド/ドル

IMMポジション ポンド/ドル

ポイント

【ポンドネットショートに転じる】
10月3日時点でポンドのポジションは、ドルに対して0.7万枚の売り越し(ネットショート)。
ロングが取り崩され、ショートが積み増されたため、ネットポジションは前週の1.6万枚買い越しから売り越しに転じた。
期間中のポンド/ドル相場は、米国の長期金利の上昇を受けてドル買いが優勢となり、1.2052ドル前後まで下落した。
英経済の減速懸念や英中銀(BOE)の利上げ打ち止め観測もあり、投機筋のポンド/ドル相場に対する見方は弱気に転じたようだ。


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IMMポジション


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kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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