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来週の為替予想(米ドル/円)「150円到達期待膨らむ、ストキャスの売りシグナル点灯に警戒」ハロンズ FX 2023/9/9

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執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人

目次

執筆日時 2023年9月8日 13時40分

150円到達期待膨らむ、ストキャスの売りシグナル点灯に警戒

9月4日週の米ドル/円は高値圏で不安定

米ドル/円は、介入警戒心と円安期待が拮抗する中、147.869円まで上値を伸ばしたものの、148円突破のための手掛かりが見つけられずに、概ね147円台で振幅する格好になりました。また、上昇局面では中国人民元安に連動して円にも下押し圧力がかかっているとの指摘がありました。(各レート水準は執筆時点のもの)

FX ライブ配信、ドル円、次の急騰で実弾介入か (2023年9月7日)

※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。

物価指標が米ドルの押し上げ材料となるか

米ドル/円は148円手前で足踏み状態が続いています。13日の米8月消費者物価指数(CPI)、 14日の米8月小売売上高、米8月卸売物価指数(PPI)が、この流れを打ち破り、当局の円安けん制がさらにヒートアップする水準まで米ドル/円を押し上げるか注目されます。8月分のCPIはコアが前年比でインフレ圧力の緩和が見込まれているものの、総合は前年比で加速が見込まれており、結果に対する見通しは強弱まちまちです。ただ、エネルギー価格の上昇やISM(米供給管理協会)が調査した企業景況感における価格指数の上昇を踏まえれば、インフレ鈍化よりインフレ再燃に対して警戒する局面かもしれません。

また、財・サービスの提供側である企業の調達コスト上昇はPPI押し上げも懸念され、インフレ再燃が顕在化し、米インフレ警戒が強まるかもしれません。現在は、9月FOMCでの据置き予想は9割ほど織り込んだ状態ですが、この割合が低下して利上げ予想が増えてくれば、米ドル/円は148円を突破して150円トライの「円買い介入」催促相場の様相となる可能性もありそうです。 ただ、米中の通商対立の激化や中国の成長鈍化懸念など、一気にリスク回避ムードを高める材料が燻っている点にも注意が必要です。市場参加者のリスク認識を通じて為替変動の背景を探るうえでは参考となる、リスクリバーサルはこれまでの円安警戒局面が一服し始め、円高警戒局面に入りつつあるようにも見えます。

ドル円 1Wリスクリバーサル

米ドル/円は、スローストキャスで売りシグナル

上昇傾向の21日線を支えに米ドル/円は底堅い推移が続いており、148.000円突破も意識されます。この水準を超えてくれば、昨年10月21日の円買い介入後の戻り高値の149.695円(22年10月24日)や、心理的節目の150.000円が次に警戒される水準となりそうです。ただ、パラメータが(9,3,3)のストキャスティクスにおいて、%DとSlow%Dで売り示唆となっているため、目先は調整ムードの高まりが懸念されます。146.157円(執筆時点)の日足一目転換線を下抜けしてくれば、同基準線(144.692円:執筆時点)を目指す危険もあります。

【米ドル/円チャート 日足】

ドル円 日足

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:
USD/JPY:144.500-149.500

9/11 週のイベント:

9/13(水) 8:50 日本 7-9月期四半期法人企業景気予測調査(BSI)
9/13(水) 8:50 日本 8月国内企業物価指数
9/13(水) 21:30 米国 8月消費者物価指数(CPI)
9/14(木) 8:50 日本 7月機械受注
9/14(木) 8:50 日本 対外対内証券売買契約等の状況
9/14(木) 13:30 日本 7月鉱工業生産・確報値
9/14(木) 21:30 米国 8月小売売上高
9/14(木) 21:30 米国 8月卸売物価指数(PPI)
9/14(木) 21:30 米国 新規失業保険申請件数
9/14(木) 23:00 米国 7月企業在庫
9/15(金) 13:30 日本 7月第三次産業活動指数
9/15(金) 21:30 米国 9月ニューヨーク連銀製造業景気指数
9/15(金) 21:30 米国 8月輸入物価指数
9/15(金) 23:00 米国 9月ミシガン大学消費者態度指数・速報値

一言コメント

中国が金融緩和で何とか経済を立て直そうとしているものの、なかなか改善の兆しが見られていません。結局、金融緩和しても需要が伸びなければ、成長が加速しないと言ったシンプルな落ちなのでしょうね。でも、金利が低下したからと言って、マンションの供給量が中国の全人口の2倍超とあっては、緩和でどうにかなる感じもしないのですが。

 
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