シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショートやや増加】
8月8日時点で円のポジションは、ドルに対して8.3万枚の売り越し(ネットショート)。
ロングが取り崩されたことから、ネットショートは前週から約0.4万枚増加した。
期間中のドル/円相場は、米7月雇用統計の結果を受けて141円台半ばまで下落する場面も見られたが、その後日銀の金融政策正常化への期待が後退したことで143円台を回復した。
投機筋の円買いポジション圧縮の動きがドル/円相場を下支えしたようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング減少】
8月8日時点でユーロのポジションは、ドルに対して15.0万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが取り崩しされショートが積み増されたことで、ネットロングは前週から約2.2万枚減少した。
期間中のユーロ/ドル相場は、米7月雇用統計の結果を受けて一時1.1042ドル前後まで上昇するも、欧州中銀(ECB)による利上げサイクルが終わりに近づいているとの見方から1.09ドル台に押し戻された。
ECBの利上げ打ち止めが意識される中、投機筋のユーロ先高観が後退したと見られる。
ポンド/ドル
IMMポジション ポンド/ドル
ポイント
【ポンドネットロング減少】
8月8日時点でポンドのポジションは、ドルに対して4.7万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングの取り崩し度合いがやや大きかったことからネットロングは前週から約0.3万枚減少した。
期間中のポンド/ドル相場は、英中銀(BOE)の小幅な利上げを受けて1.2620ドル前後まで急落する場面も見られたが、米7月雇用統計の結果を受けた米ドル売りが持ち込まれたこともあり1.280ドル台手前まで買い戻された。
BOEの金融政策委員会(MPC)を通過したことで、ポンド相場の動きが方向感を欠く中、投機筋はひとまずポジション削減に動いたようだ。
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IMMポジション
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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