目次
▼最新のドル円相場は…円安再開!日銀の政策修正観測が後退
▼ドル円相場をテクニカル分析で確認…再び145円を視野に入れた展開の可能性
▼ターニングポイント…日銀とFRB次第で円安はさらに加速もある
▼来週のイベント
最新のドル円相場は…円安再開!日銀の政策修正観測が後退
今週のドル/円は、137円台から切り返す展開。17日に米7月NY連銀製造業景気指数が市場予想ほど低下しなかったことやイエレン米財務長官が「成長は減速したが、労働市場はかなりの力強さを維持している。リセッションは予想していない」と述べたこともあり、ドル/円は139.40円前後まで反発しました。18日には植田日銀総裁がG20財務相・中銀総裁会議後に会見を行い、持続的・安定的な物価2%達成には「まだ距離がある」としたうえで「粘り強く金融緩和を続けてきた」などと発言すると翌週の日銀金融政策決定会合でイールドカーブ・コントロール(YCC)の修正観測が後退しました。20日に発表された米新規失業保険申請件数は2カ月ぶりの低水準を記録したことで米長期金利が上昇。その後、ドル/円は140円を突破。21日の欧州時間内に一部通信社が関係筋の話として「日銀は現時点でYCC修正の必要性は乏しいと見ている」と報じられると円売りが加速。一気に141円台に乗せる動きとなりました。
ドル円相場をテクニカル分析で確認…円安再開!再び145円を視野に入れた展開となりそう
週足チャートを見ますと、52週移動平均線や今年の安値(127.23円前後)から高値(145.07円前後)への上げ幅に対する61.8%の水準を下値支持に反発。13週線を上抜け140円を突破すると上昇バイアスが強まり141円台後半まで上値を伸ばしています。RSIを見ても50ラインを押し目に反発しており上昇基調が再開したようにも見受けられます。この先、142円を突破するようだと7月9日週の高値143.00円前後、さらに上抜けば145円が再び視野に入ってきそうです。下値については13週線(139.80円前後)や138.00円前後が支持として意識されそうです。
ターニングポイント…日銀とFRB次第で円安はさらに加速もある
足元のドル/円は、日銀の政策修正観測が後退したことから円売りが加速しています。実際に来週28日の日銀会合で現状維持が決まると円売りをさらに強めそうです。また、26日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えています。市場では7月会合での利上げが確実視されていますが、以降は利上げを打ち止めるとの思惑がくすぶっています。そうした中で、次回会合以降の追加利上げを示唆するようだとドル買いが強まり、ドル/円相場は上値摸索の展開となりそうです。トレードで重要なことは、トレードタイミングを待つことです。チャンスを逃さないようにポイントを見極めるなど準備を行っておきましょう。
来週の重要イベント
7/24☆独7月製造業PMI・速報値
7/24☆独7月サービス業PMI・速報値
7/24☆ユーロ圏7月製造業PMI・速報値
7/24☆ユーロ圏7月サービス業PMI・速報値
7/24☆英7月製造業PMI・速報値
7/24☆英7月サービス業PMI・速報値
7/25☆独7月IFO企業景況感指数
7/25◎米7月消費者信頼感指数
7/26☆豪4-6月期消費者物価指数
7/26◎米6月新築住宅販売件数
7/26☆FOMC政策金利
7/26☆パウエルFRB議長記者会見
7/27☆ECB政策金利
7/27☆ラガルドECB総裁記者会見
7/27☆米新規失業保険申請件数
7/27☆米4-6月期GDP・速報値
7/28☆日銀金融政策決定会合
7/28☆日銀展望レポート
7/28☆植田日銀総裁定例会見
7/28☆独7月消費者物価指数・速報値
7/28☆米6月PCEデフレーター
※☆は特に注目の材料
外為どっとコム総合研究所の研究員、宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)が、FX初心者の方にも分かりやすいよう、予想の値動きを示し、FX為替予想を行います。
💬宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい):Twitter
https://twitter.com/gaitamesk_ueha
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宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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