シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットロングほぼ横ばい
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショート増加】
6月27日時点で円のポジションは、ドルに対して11.3万枚の売り越し(ネットショート)。
ショートの積み増し度合いが大きかったことから、ネットショートは前週から約0.5万枚増加。
期間中のドル/円相場は、日米の金融政策の方向性の違いが材料視されて144円台まで上伸するも、当局高官による円安けん制発言などで上値を抑えられた。
当面は円安地合いが続くとの見方から、投機筋は円ショートポジションを構築した。一方で、介入への警戒感から円ロングポジションもいくぶん増えているようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロングほぼ横ばい】
6月27日時点でユーロのポジションは、ドルに対して14.5万枚の買い越し(ネットロング)。
ロング、ショートともに同程度取り崩されたため、ネットロングは前週からほぼ横ばいとなった。
期間中のユーロ/ドル相場は、ユーロ圏6月PMIの悪化などを受けて一時1.0844ドル前後まで下落するも、欧州中央銀行(ECB)による追加利上げ期待に支えられ1.09ドル台へ買い戻された。
景気悪化懸念と金利先高観が綱引きする形で投機筋のポジションには大きな変化はなかった。
ポンド/ドル
IMMポジション ポンド/ドル
ポイント
【ポンドネットロング増加】
6月27日時点でポンドのポジションは、ドルに対して5.2万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが積み増されたことでネットロングは前週から約0.5万枚増加。
期間中のポンド/ドル相場は、英中銀(BOE)による予想外の利上げ幅拡大を受けて一時1.2836ドル前後まで上昇した。
追加利上げ期待を背景とする根強いポンド先高観が相場を下支えしたようだ。
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IMMポジション
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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