シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼IMMポジション ポンド/ドル
ポンドネットロング大幅に増加
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショート増加】
6月20日時点で円のポジションは、ドルに対して10.8万枚の売り越し(ネットショート)。
ロングの取り崩し度合いが大きかったことから、ネットショートは前週から約0.4枚増加。
期間中のドル/円相場は、前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融政策決定会合を経て両国の金融政策の方向性の違いに改めて焦点が当たり、一時142.25円前後まで上昇するなどドル高・円安の動きとなった。
当面は円安地合いが続くとの見方から、投機筋は円ロングポジションの一部を手仕舞ったようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング減少】
6月20日時点でユーロのポジションは、ドルに対して14.5万枚の買い越し(ネットロング)。
ショートの積み増し度合いが大きかったため、ネットロングは前週から約0.7万枚減少。ネットロングは5週連続で減少となった。
期間中のユーロ/ドル相場は、欧州中銀(ECB)による追加利上げ期待を背景に1.07ドル台後半から1.09ドル台後半まで上昇したが、ドルも堅調だったため伸び悩んだ。
節目となる1.10ドルを手前に、投機筋はユーロのショートポジションを増やしたようだ。
ポンド/ドル
IMMポジション ポンド/ドル
ポイント
【ポンドネットロング大幅に増加】
6月20日時点でポンドのポジションは、ドルに対して4.7万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが大きく積み増された一方、ショートが取り崩されたことでネットロングは前週から約4.0万枚増加。
期間中のポンド/ドル相場は、BOEによる複数回の追加利上げ観測の高まりを受けて昨年4月22日以来となる1.28ドル台半ばまで上昇。
その後、ポンド/ドル相場は1.27ドル台に押し戻されるなど伸び悩んだが、急速に高まる投機筋のポンド先高観を冷ますことはなかったようだ。
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IMMポジション
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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