目次
▼最新のドル円相場は…2022年11月10日以来の高値を更新
▼ドル円相場をテクニカル分析で確認…来週は145円を試す展開が考えられる
▼ターニングポイント…145円に到達するスピードは速い可能性
▼来週のイベント
最新のドル円相場は…2022年11月10日以来の高値を更新
今週は、連日で年初来高値を更新する展開。週前半は142円台の高値を更新するも終盤には141円台に押し戻されるなど上値の重さが際立つ値動きが続きましたが、141円を割ることなく底堅い推移となっていました。22日には前日高値142.37円前後を上抜けたことをきっかけに円売り・ドル買いが加速し143円台へ到達しました。23日の市場でも流れは変わらず一時143.45円前後と2022年11月10日以来の高値を更新しています。ファンダメンタルズ面で見ると、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が議会証言にて「今年あと2回の利上げが必要」などとタカ派的な見解を示しました。また、スイス中銀、ノルウェー中銀、英中銀などの相次ぐ利上げによって、日銀との金融政策の方向性の違いが改めて認識されたことから円売りが強まっています。
ドル円相場をテクニカル分析で確認…来週は145円を試す展開が考えられる
上値抵抗と意識されていた142.00円(心理的節目)、142.25円前後(2022年11月20日週高値)、142.50円(2022年高値から2023年安値の下落幅に対する61.8%戻し)を上抜けたことで143円台へ到達しています。
現状をテクニカル分析で確認すると13・26・52週移動平均線が上向きで13週と52週線がゴールデンクロスとなっています。また、RSIについては70ラインに向けて上向きであることから上昇基調が強まっており上値を模索する展開が続くと見ています。143円~144円には抵抗となりえるポイントが見当たらず、次の上値メドは145円となりそうです。来週金曜日は月末で持ち高調整が入り上値が重くなる可能性があるとすれば、週半ばにも145円を試す相場展開になってもおかしくない状況だと見れます。
ターニングポイント…145円に到達するスピードは速い可能性
今週は、チャートポイントと見ていた142.50円を上抜けて143円台へ到達しました。上記の通り143円から144円は真空地帯であり145円に到達するスピードは速い可能性があります。現在の上昇基調はテクニカル分析とファンダメンタルズ分析の方向感がマッチしているからこその相場展開だと思われます。どこまで上値を拡大できるかについての予測は難しいですが、今が上昇基調であり買い取引に優位性があることは分析することで認識できます。引き続き今のポイントが「買い場」の可能性があることを意識しつつ来週も取引タイミングを考えていきましょう。
来週の重要イベント
6/26☆独6月IFO企業景況感指数
6/27☆ラガルドECB総裁講演
6/28☆豪5月消費者物価指数
6/28☆パウエルFRB議長講演
6/29◎豪5月小売売上高
6/29☆独6月消費者物価指数・速報値
6/29☆米新規失業保険申請件数
6/29◎米1-3月期GDP・確定値
6/29☆パウエルFRB議長講演
6/30☆中国6月製造業PMI
6/30◎中国6月非製造業PMI
6/30◎英1-3月期GDP・改定値
6/30◎独6月雇用統計
6/30◎ユーロ圏5月失業率
6/30☆ユーロ圏6月消費者物価指数・速報値
6/30☆米5月PCEデフレーター
※☆は特に注目の材料
外為どっとコム総合研究所の研究員、宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)が、FX初心者の方にも分かりやすいよう、予想の値動きを示し、FX為替予想を行います。
💬宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい):Twitter
https://twitter.com/gaitamesk_ueha
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宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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