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豪ドル/円 今日の見通し「豪雇用統計が弱くても豪ドル円は下落しない?」2023/6/15

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オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉

目次

 

今日の豪ドル トレードシナリオ

昨日から現在までの相場

・NY原油先物市場は反落。米週間原油在庫統計で原油在庫が増加していたことや、米連邦公開市場委員会(FOMC)で年内あと2回の利上げが示唆されたことで、金利上昇による米景気悪化懸念が原油売りに繋がった。終値は前日比-1.15ドルの1バレル=68.27ドル(6月14日)。

・6月6日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利を4.10%へと0.25%の利上げを実施した。

・5月31日に発表された豪4月月次消費者物価指数(CPI)は前年比+6.8%となり、前月の+6.3%からインフレは加速した。4月26日に発表された豪1-3月期CPIは前年比+7.0%となり、前四半期(+7.8%)から鈍化した。

・豪4月雇用統計が発表され、雇用者数は市場予想(2.50万人増)に反して0.43万人の減少だった。失業率は3.7%、労働参加率は66.7%となった(5月18日)。

今日のメインシナリオは

豪雇用統計が弱くても豪ドル円は下落しない?

本日は豪5月雇用統計が発表される。前月は雇用者数が-0.43万人、失業率が3.7%へと悪化(前々月:3.5%)となり、豪雇用市場のひっ迫が若干緩和されたようにも見えたが、RBAは6月6日に市場の予想外となる利上げを実施した。これは豪州のインフレがRBAの想定以上に高止まりをしていることに対応するためだ。そしてRBAは声明でインフレ高水準で定着することへの警戒を示した。そのため、RBAの一番の関心はインフレ率、すなわちCPIの動向と見て良いだろう。たとえ、豪雇用統計で豪労働市場のひっ迫がさらに緩和しているデータを示したとしてもCPIが高止まりしていれば、RBAが7月に追加利上げを実施する可能性が高いということだ。 一方で、豪雇用統計で雇用者数が大幅増加に転じ、失業率が低下していれば、「堅調な労働市場がインフレを下支えする」との考えから、7月利上げの可能性をさらに高めるものとなりそうだ。

また、本日は中国の1年物中期貸出制度(MLF)が発表される。市場は中国人民銀行が市場に提供する資金量を増加し、貸出金利を2.75%から2.65%へ利下げすると予想している。市場の予想通りに利下げと供給資金の拡大が実施されれば、中国景気の回復期待が高まり中国の株価指数が上昇することになりそうだ。中国の景気回復期待が膨らむということは豪ドルにとってポジティブ材料となるため、豪ドルにとっても支援材料となりそうだ。

この先の個別相場変動

■豪5月雇用統計が予想を下回る
⇒豪労働市場のひっ迫緩和が示される
⇒豪ドルは売られる
⇒RBAが最重要視しているのはインフレ率
⇒豪ドル売りは限定的

豪ドル円 最新チャート分析

今後の注目経済指標・イベント

豪5月雇用統計
中国1年物MLF
中国、米国の株価動向

「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果

外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに雨。8時に豪ドル/米ドルの移動平均で売りシグナルが点灯。

【情報提供:外為どっとコム】

<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>

  • ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
  • ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
  • ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
 

nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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