
執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
メキシコペソ/円(月足)2015年1月から2023年6月

※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
直近1週間のポイント
・メキシコ中銀が高金利維持の姿勢
・米債務上限問題に収束の目途
・メキシコ州知事選で与党勝利
・メキシコ自動車輸出が増加
足元のメキシコペソ/円は8年ぶりに8円台へ上伸
先月末に7.8円台へと弱含んでいたペソ/円は今月に入り持ち直しの動きを強めました。メキシコ中銀は1日に公開した5月会合の議事録で、政策金利を現在の水準で「長期間維持する必要がある」と強調。2日には米債務上限を巡る混乱に終息の目途が立ったことを好感する形で7.991円前後へと上昇しました。
さらに週明け5日には5月高値を超えて8.011円前後まで続伸。6日には8.040円前後まで上値を伸ばして2015年6月以来8年ぶりの高値を付けました。
なお、メキシコでは、4日に行われた州知事選でロペスオブラドール大統領が率いる与党・国家再生運動(MORENA)の候補が野党からメキシコ州知事の座を奪回。6日に発表された5月の自動車輸出台数は2020年11月以来の高水準でした。これらもペソの追い風になったと見られます。
目先のメキシコペソ/円の注目ポイントは5月CPI
8日に発表されるメキシコ5月消費者物価指数(CPI)について、市場は前年比+5.9%前後への鈍化を見込んでいるようです。
メキシコ中銀はCPIの上昇率(インフレ率)が目標の2-4%内に収束するのは来年10-12月期になりそうとの見通しを示しています。中銀はこの見通しに基づいて、政策金利を11.25%に「長期間維持する必要がある」と表明したと考えられますが、5月の声明ではインフレ見通しについて「複雑かつ不確実」であり「上振れリスク」があると説明しました。
そうした中で発表される5月CPIに注目が集まりそうです。ペソは、CPIが市場予想を上回れば上昇、下回れば下落の「是々非々」の反応が予想されますが、仮に下落しても早期利下げの思惑が浮上しない限り下値は限定的でしょう。
当面のメキシコペソ/円の見通し
予想レンジ
7.850円~8.150円
基調
下値堅い
来週までの注目ポイント
・6/8☆メキシコ5月CPI
・主要国株価、国際商品価格
メキシコペソ/円(MXN/JPY) 為替チャート・FXチャート はこちら
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年から外国為替市場に携わる為替アナリスト。証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社し、ドル/円スポット、資金(デポジット)、金利デリバティブなど国際金融商品の取引仲介業務を担当。2009年7月、外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・金融市場の調査・分析に従事。2011年12月より現職。
30年以上にわたる市場経験をもとに、個人FX投資家向けの相場解説・情報発信を行う。テレビ東京「Newsモーニングサテライト(モーサテ)」への出演をはじめ、NHK、日経CNBC、ストックボイスTV、ニッポン放送など、テレビ・ラジオ・新聞・WEBメディアへの出演・取材・コメント実績多数。
