139円台で底堅く推移するも米利上げ停止観測により上値が重い
本日、東京市場のドル/円は弱もち合いの展開。日経平均株価がプラス圏に浮上すると139.60円台まで強含む場面もありましたが、日本株の取引終了後には再び139.30円台へと小緩むなど小幅な値動きながらも上値の重い展開となりました。
欧州市場では、米債利回りの低下を受けて139.10円前後まで下値を拡大。その後は、下げ渋る動きを見せる中で139.40円台まで切り返しており底堅く推移しています。
6月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ停止観測が一段と高まっています。そうした中で、今夜はドル/円の流れを変えそうなイベントが予定されていないことから上値の重い展開が続きそうです。足元では、一目均衡表の転換線(139.66円前後)が抵抗となっており、上抜けたとしても節目の140円台を前に伸び悩みそうです。一方で139円の心理的節目を割り込むと先週安値138.39円まで下値余地が広がります。
ドル/円
この後の経済イベント
6/6(火)
21:30 カナダ4月住宅建設許可件数
23:00 カナダ5月Ivey購買部協会景気指数
24:30 センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
6/7(水)
08:20☆ロウRBA総裁、講演
※☆は特に注目の材料
今日の注目トピック
6月1日より「改正資金決済法」が施行となり仮想通貨であるステーブルコインの国内発行が可能になったことが話題になっています。以前からビットコインなどは法定通貨の代替品となりうる送金や決済手段として注目されていますが、ボラティリティが高いために通貨として扱いにくいというデメリットが問題視されています。そうした中で、ステーブルコインは米ドルなどの法定通貨によって資産が担保されて価格変動が抑えられると考えられています。この価格の安定性により企業間の送金手段や決済手段として利用しやすく経済の活性化が期待されています。現在はUSDT(テザー)、USDC(USDコイン)、BUSD(バイナンスUSD)などが多くの取引所で扱われていますが、今後はJPYを担保としたステーブルコインも世界で利用されていくのか注目です。
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。