オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
目次
- ▼今日の豪ドル トレードシナリオ
- 昨日から現在までの相場
- 今日のメインシナリオは
- この先の個別相場変動
- 豪ドル/円 最新チャート分析
- 今後の注目経済指標・イベント
- 「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
今日の豪ドル トレードシナリオ
昨日から現在までの相場
・NY原油先物市場は反落。中国の景気減速による原油需要減退懸念が売り材料となった。終値は前日比-1.15ドルの1バレル=72.56ドル(5月10日)。
・5月2日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利を3.85%へと0.25%の利上げを実施した。
・4月26日に発表された豪1-3月期消費者物価指数(CPI)は前年比+7.0%となり、前四半期(+7.8%)からインフレは鈍化した。また同時に発表された3月月次CPIは前年比+6.3%となった。
・豪3月雇用統計が発表され、雇用者数は市場予想(2万人増)を上回る5.30万人の増加だった。失業率は3.5%、労働参加率は66.7%となった(4月13日)。
今日のメインシナリオは
米PPIが期待通り鈍化を示せば豪ドルは買い?
昨日発表された米4月消費者物価指数(CPI)は市場予想(前年比+5.0%)を下回る+4.9%となった。 米国のインフレが小幅ながら前月(+5.0%)から着実に鈍化していたことから、市場は「米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げは5月が最後」との見方を強めている。これにより、米景気が後退するとの見方が和らぎ、米国株が上昇。リスクセンチメントに敏感な豪ドルは買われることとなった。
本日は、米4月生産者物価指数(PPI)が発表される。PPIは生産者の出荷時点での価格が対象となっていることから、CPIの先行指標としても知られる。市場予想は前年比+2.5%となっており、前月よりも鈍化している。市場予想通りならば、米国のインフレが今後さらに鈍化するとの見方が強まり、米国経済の減速に対する不安が軽減される。そうなればリスクオンとなり豪ドルは買われることとなりそうだ。
また、アジア時間には中国の4月CPIも発表される。市場予想は前年比+0.3%となっており、前月(+0.7%)からさらに鈍化する見通しだ。中国政府のインフレ目標は+3%前後だ。5月9日に発表された、中国4月貿易収支で輸入が前年比で大幅に減少していたこともあり、中国経済回復の勢いが予想していたほど強くないとの懸念が高まっている。中国4月CPIが市場予想を下回れば、中国と交易関係の強い豪ドルの売り材料となりそうだ。
この先の個別相場変動
■米4月PPIが予想を下回る
⇒米利下げ期待が高まる
⇒米景気減速への懸念が和らぐ
⇒米株価が上昇
⇒豪ドルはリスクマインドに敏感
⇒豪ドルは対米ドルで買われる
豪ドル円 最新チャート分析
今後の注目経済指標・イベント
中国4月消費者物価指数(CPI)
米4月生産者物価指数(PPI)
米国や中国の株価動向
「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は曇り空に太陽が覗き、豪ドル/米ドルは晴れ。7時に豪ドル/米ドルのRSIで買いシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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