ドル/円、135円を挟んで方向感出ず
8日のドル/円は、135円を挟んで方向感が定まらない展開でした。
東京市場では、先週末の米4月雇用統計後の流れを引き継ぎ、一時135.30円前後まで上伸するも、上値の重さからドル売りに傾き134.60円台まで押し戻されました。欧州市場に入ると下値の底堅さからドルの買い戻しが入り135.23円前後まで持ち直しています。
NY市場では、米国株の下落や米10年債利回りの上昇が一服したことなどからドル/円の上値が重く134.66円前後まで下押ししましたが、再び135円台へ戻すなど方向感のない展開が続いていました。
ドル/円、明日の米4月CPI待ちムード
本日、東京市場のドル/円は上値の重い展開。一時135.32円前後まで強含みましたが、植田日銀総裁の「持続安定的な物価2%達成の見通しに至ればYCCを止める」等の発言を受けて円買いに傾くと、134.70円台まで反落しました。その後、円買いが一服すると欧州市場では135.10円前後まで戻りを見せています。
ドル/円は、明日に米4月消費者物価指数(CPI)の発表を控えて様子見ムードが漂っており、引き続き135円を挟んでトレンドレスの展開となりそうです。そうした中、今夜はバイデン大統領と議会首脳にて債務上限問題についての会合が開催されます。6月1日には政府の資金繰りが行き詰まる可能性があると指摘されているだけに回避するための対応方針が定まるか注目です。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、10・20・80日移動平均線が上向きで上昇基調は継続といえます。しかし、直近は134.60円-135.30円のレンジ推移となっており、135円台では戻り売りが強まる状況になっています。上値抵抗と意識されている10日線(135.19円前後)をしっかり上抜けるまでは伸び悩む展開となりそうです。
ドル/円
この後の経済イベント
5/9(火)
21:00 メキシコ4月消費者物価指数
21:30 ジェファーソンFRB理事、講演
25:05 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
26:00 シュナーベルECB専務理事、講演
26:00 米3年債入札(400億ドル)
----- 米大統領と議会共和党指導者による会合(債務上限問題について)
今日の注目トピック
米債務上限問題で思い出しましたが、2020年12月に京都市長から「このままいけば財政再生団体に転落するかもしれない」という発言があり全国で話題になりました。市民が受けるサービスの水準(支出)が市民負担の水準(収入)を上回る「実質的な赤字状態」が長く続いていたことで、財政破綻する可能性が浮上したとのこと。世界的にも有名な京都市がまさかと驚いた方が多かったでしょう。
万一、財政破綻してしまうと、ごみ収集の有料化や公共施設利用料の値上げなど市民に与える影響は多くあります。そうなると京都市から引っ越す人が増え、人口減少に繋がり市の収入が減るといった負のスパイラルとなる可能性がありますので当然、回避しないといけないことです。 そうしたことから、京都市は「はばたけ未来へ!京(みやこ)プラン2025(京都市基本計画)」と5年の財政改革計画を進めており、2023年2月に同市長は記者会見で「財政難脱却の道筋はついた。今後も財政破綻することはない」と話しています。
5月8日から新型コロナウイルス感染症が5類へ移行されたことで、京都市には国内外からの観光客が溢れ、以前のような活気が戻ってくると思われます。市民が不安のない暮らしになるよう財政再建が進んでいくことを期待したいです。